スピードスターは一体誰? 二塁到達タイムのパ1位は野手歴わずか1年半の元投手
7秒57で第3位に入ったのが、オリックスの新星である佐野
佐野皓大という選手がオリックスにいることを知っているファンはどのくらいいるだろうか? 元々は投手としてプロ入りしたが、3年目の2017年シーズン後に身体能力を生かすため野手に転向。翌2018年は育成契約でスタートし、同年7月末付けで支配下選手になったばかりの選手だ。
大分高校時代にもほとんど野手経験がなかった佐野は、キャリアとしてはわずか半年。だが、そんな選手がパ・リーグ3位の7秒57を出すのだから、プロ野球は底が知れない。佐野は、今年のキャンプ、オープン戦から思い切りの良い走塁を披露して、開幕ベンチ入りを果たした。現在もスイッチヒッターとして1軍で活躍中。二塁へ走る姿は野性味を感じさせる。
オリックスには宗佑磨、後藤駿太、西浦颯大、小田裕也など、俊足の外野手がゴロゴロいる。ライバルは多いが、スピードに関しては頭ひとつ抜け出したといっていいだろう。
盗塁数は毎年タイトルに絡むほどではないが、秋山翔吾(西武)はリーグ有数の俊足選手だ。二塁到達7秒55で堂々2位というタイムが、まさにそれを示している。
秋山の走りは4位の中島とも共通するが、打ってからの一歩目が違う。最初から全力で走り出しているためロスがない。出だしが早ければ、先の塁を狙えるチャンスは増える。7秒55を記録した場面も、レフトが緩慢にゴロを処理するスキを突いたものだ。こうしたチャンスを見逃さないところは、常に高い意識を持ち続ける秋山らしい。
30歳を過ぎてなお、トップを争うスピードを維持できていることにも感服する。秋山選手は現在、連続フルイニング出場のパ・リーグ新記録を更新中。コンディションを高いレベルで維持できているからこそ、若手に負けないタイムが出せるのだろう。