米で強豪メキシカンリーグと対戦 アジアンブリーズのターニングポイントとなった一戦

サン・ルイス市長とアジアンブリーズ創設者の色川冬馬氏【写真提供:色川冬馬】
サン・ルイス市長とアジアンブリーズ創設者の色川冬馬氏【写真提供:色川冬馬】

町全体を動かしたアジアンブリーズ

 試合には敗れたものの、アジアンブリーズの挑戦はアメリカの町をも動かした。キンタナロー・ターガースと対戦した際に訪れたアリゾナ州サン・ルイスが、市全体で試合開催を盛り上げていた。試合開催が決まると対戦カードのバナーを制作し、市民に開催をアナウンス。また、試合には市長自ら球場に足を運ぶなど、日本から来たトラベリングチームとの対戦を歓迎した。

 試合前にはセレモニーがあり、試合が始まるとラテンアメリカの音楽を流されるなど、実際のメキシカンリーグの試合と同じ環境がつくられた。プロさながらの雰囲気でプレーしたアジアンブリーズの選手たちは、日本との環境の違いを楽しんでいるようにも見えた。これぞ、このチームでしか体験することができない貴重な出来事であった。

「米国で試合をしながらプロ契約を目指す」という日本発のチームが、米国内にある1つの市を動かしたのは初めての出来事。アジアンブリーズは野球界に、新しい事例と選択肢を与え続ける特別なチームだ。

(豊川遼 / Ryo Toyokawa)

RECOMMEND