メッツがドジャースの“サイン盗み”疑うも…ロバーツ監督は意に介さず「彼らの判断」

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:盆子原浩二 】
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:盆子原浩二 】

NYテレビ局が「メッツは疑っている」と伝えるも…

■ドジャース 9-8 メッツ(日本時間30日・ロサンゼルス)

 ナ・リーグ西地区の首位を快走するドジャースが“サイン盗み”を行っていると29日(日本時間30日)に大逆転負けを喫したメッツが訴え、デイブ・ロバーツ監督が30日(同31日)に“反論”する事態となった。

“サイン盗み”疑惑については、ニューヨークの地元テレビ局「SNY」電子版が「ドジャースはサイン盗みを行っているのではないかと、メッツは疑っている:彼らには(サインを盗む)システムがあると思う」とのタイトルでレポート。記事では「ドジャースはサインを盗んでいると、メッツは疑っている。そして、同じ懸念を表すチームは、彼らが初めてではない」と伝えていた。

 メッツは29日のドジャース戦で7回表が終了した時点で8-3と5点をリードしながら、7、8回と1点ずつを奪われると、9回に4点を失いサヨナラ負け。5点差を逆転された。

 メッツのベンチコーチを務めるジム・リグルマンは、同局の取材に対して「彼らには、サイン盗みをしやすくさせるシステムがあると私は思っている。これは違反に当たるものではないと思うが、彼らは物事を察知することに長けている。投球(フォーム)の中で何かしらの違いがあった場合などだ。我々の間でそれが話題になった」と証言。さらに、ミッキー・キャロウェイ監督も「それがドジャースがしていること。彼らは次に何(どの球種)が来るか分かっている風に思える。しかし、思い通りの投球ができれば、彼らからアウトを奪える」と話したという。

 さらに、ドジャースがビデオカメラでサインを盗んでいることをブルワーズが疑っていると、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のロバート・マレー記者が以前報じたことに言及。米メディア「ブリーチャー・レポート」のスコット・ミラー氏も、昨年のワールドシリーズでマチャド(当時ドジャース)が二塁ベース上から相手のサインを味方に知らせていたと対戦相手のレッドソックスが考えていたことを報道していたと「SNY」は紹介している。

 一夜明けた30日、ロバーツ監督は試合前の会見でメッツが持ち出している“疑惑”について聞かれ「我々は27アウトを取るために、毎試合で可能な限り最高のプレーをしている。もし結果がついてこない場合、我々がうまくプレーできなかったということと、称賛に値するようなプレーを相手がしたということ。その両方が重なったということだ」と説明。さらに「我々の打線が彼らに対して素晴らしい結果を生んでいること。その要因が、我々の持つ才能や準備の仕方だと彼らが感じていないのなら、それが彼らの判断だ。私には彼らの考えを変えることはできない」とメッツの主張を相手にしていない様子だった。

 29日時点で37勝19敗。リーグトップの勝率.661で、地区2位のパドレスに8ゲーム差と圧倒的な強さを見せるナ・リーグ2連覇中のドジャース。悲願のワールドシリーズに向けて順調なスタートを切ったが、強すぎることも思わぬ疑いをかけられる理由の1つと言えそうだ。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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