DeNA上茶谷、連敗中のヤクルト相手にプロ初完封「負けてはいけない試合」

DeNA・上茶谷大河【写真:荒川祐史】
DeNA・上茶谷大河【写真:荒川祐史】

大学時代に投げ合った清水が相手先発も…「投球に集中できた」

■DeNA 7-0 ヤクルト(1日・横浜)

 DeNAの上茶谷大河が1日のヤクルト戦でプロ初完投、初完封勝利をマークした。相手先発はプロ初登板、初先発となった国学院大出身の清水。東洋大出身の上茶谷とは東都大学リーグで何度も投げ合ったドラフト1位ルーキー対決を制した。

「普段から仲がいいので、試合前は意識したが、試合が始まってからは投球に集中できた」という上茶谷は、開幕からローテ入りし、すでに2勝を挙げている経験の差を見せつけた。9回121球を投げ切って被安打4、奪三振6で無失点。ラミレス監督も「素晴らしいの一言に尽きる」と称賛した完封劇だった。

 上茶谷は「真っ直ぐが高低にしっかりコントロールできた。高めのボール球も使えたし、勝負球が低めにしっかり決まって、ファールを取ることもできた。変化球はカットボールがよかった」と、自らの投球を分析した。2勝目を挙げた前回の阪神戦では完投目前の9回に打たれてマウンドを降りた。この日も1死からバレンティンに安打を打たれ、「もしかしたら、という気持ちになったが、1点はいいと思って投げた」と気持ちを切り替え、次打者の宮本を併殺打に打ち取った。

 2回には先制点となるプロ初タイムリーも放った。「何となくスライダーが来るような気がした」と、大学時代からのライバルからの一打を振り返ったルーキーは「自信はないけど、打撃は好き」と笑顔を見せた。

 15連敗中のチームとの対戦については「ウチのチームも連敗していた時にそうだったが、ひとつ勝つと雰囲気がガラッと変わる。負けてはいけない試合だと思った」と警戒していた。「やりにくさはあったが、序盤に味方が5点取ってくれたので楽な気持ちで投げられた」と、バックの援護に感謝した。

 新人王最有力候補と言われ開幕ローテ入りを果たしたが、6試合で未勝利に終わり、5月11日にようやくプロ初勝利をマークした。「初勝利のプレッシャーが解けてから、次の登板までの1週間をムダのないように過ごせている」と、自身3連勝をプロ初完封で飾った。

 上茶谷の好投で今季2度目の4連勝となったチームは、中日と並んで4位に浮上した。軌道に乗り始めたドラ1右腕の覚醒が、チームをさらなる高みに引き上げる。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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