少女に打球直撃で涙のアルモラJr.、監督は改めて「彼の振る舞いを誇りに思う」
アルモラJr.はまだ少し動揺と地元紙が伝える、米国では防護ネット拡大へ議論も
5月29日(日本時間30日)のヒューストンでのアストロズ-カブス戦で、痛烈なライナーのファウルボールが観戦中の4歳の少女に直撃するというアクシデントがあり、米国では内野の防護ネット拡大への議論が改めて活発化している。このシーンでは、ファウルを打ったカブスのアルバート・アルモラJr.内野手がその場で涙を流し、チームメートやジョー・マドン監督から慰められた。試合後も動揺を隠せない様子だったアルモラJr.は落ち着きを取り戻したものの、時間が経過しても動揺している部分があると米メディアが伝えている。
アストロズ-カブス戦のアクシデントは4回無死一、二塁の場面で起きた。アルモラJr.が打った三塁方向への痛烈なライナーが、客席の少女に直撃。一緒に試合を観ていた男性に抱きかかえられて通路へと連れ出され、その後、病院に搬送された。少女は泣いており、意識はあったようだが、アルモラJr.はその場で涙。座り込んでしまうと、同僚のヘイワードやバエス、マドン監督に慰められた。その他の選手もショックを隠せない様子で、アルモラJr.は出場を続けたものの、試合後には「今は祈ることしかできません」と憔悴した表情で語っていた。
地元紙「シカゴ・トリビューン」によると、アルモラJr.はオフだったアクシデント翌日のことについて「ベッドから動かなかったよ」と明かしたという。少女の家族がプライバシー保護を求めたため、近況は不明となっているものの、「間違いなく僕たちはそれ(家族が求めたプライバシー)を尊重するよ」と言及。「電話で話すことに一日の大半を費やしたよ。目が覚めた時に、家族や友人から、果てしないほどの量のメッセージが届いていたんだ」とオフの一日を振り返っている。
自身も2人の息子を持つアルモラJr.は落ち着きを取り戻しているものの、まだ少しだけ動揺しているという。同紙の取材に「(病院にいるのは少女であって)僕が実際に病院にいるわけではない。少女と彼女の家族が被害を受けてしまっているのだから、そのことに関する質問に答えるのは辛いよ」と話している。一方で、マドン監督もアクシデントから2日後に「彼は素晴らしい若者で、感情的で、繊細だ。それに問題があるとでも? 彼には家族もいる。子供もいる。私は彼のあの場面での振舞い方を非常に誇りに思っている。そしてそれ以上に誇りに思っているのが、彼が気持ちを切り替えて、再びプレーを続けたことだ」と言及。アルモラJr.に改めて温かい言葉を送っている。
今回の事故を受けて、防護ネットを拡大するべきだという声が多く上がっている。一部“反対派”もいるというが、ネット拡大へ「ファンが声を上げるべき」と伝えた米メディアもあった。打球を当ててしまったアルモラJr.を気遣う声がMLBを動かすことになるだろうか。
(Full-Count編集部)