星稜が“エース封印”で4年連続決勝進出「奥川さんが投げずに勝ち切れた自信もある」
2年生右腕・寺西が6回8奪三振2失点
第140回北信越地区高校野球大会の第3日は3日、富山アルペンスタジアムで準決勝が行われ、星稜は先発の寺西成騎(2年)、寺沢孝多(3年)の継投で粘る富山第一打線を封じ、春4年連続の決勝進出を決めた。1-2で迎えた4回に6番の福本(3年)が中越え逆転2ランを放つと、6回には岡田大響(3年)の犠飛、代打の大高正寛(3年)の適時打で加点した。先発の寺西は毎回安打を浴びながら要所を締め、6回8奪三振2失点。7回からマウンドに立った寺沢は3回を6奪三振無失点と前日に続き好リリーフを見せた。エースの奥川恭伸は前日に続き、この日も登板はなかった。
長身の背番号14がマウンドで一層大きく見えた。寺西は毎回安打を許し何度もピンチを背負ったが、淡々と捕手の山瀬のミットを目がけ投げ続けた。前日の東海大諏訪戦では、同級生の荻原が7回途中まで好投。その直後に先発を言い渡されており、「自分も負けないように、良いピッチングをしないと」と気合十分だった。カットボール、チェンジアップなどを制球よく投げ、打者がボールだと思って見逃がした球が、きっちりストライクゾーンに決まった。
「山瀬さんの要求通りのコースに投げられました。山瀬さんのリードのおかげです」と寺西。これまで公式戦では長いイニングの登板機会が少なく、同学年の荻原や今春の県大会で登板した左腕の安土などライバルの存在が刺激になっている。この日は8安打は許したが、6回を投げ8奪三振。ここ一番で冷静に厳しいコースを攻めきった。
186センチ、84キロの体格からスケールの大きさを感じさせる右腕。もともとは期待値が高いだけに、さらなる成長が望まれる。「春の石川大会では(エースの)奥川さんが投げずに勝ち切れた自信もあるので、もっといいピッチングをしていきたい」と先を見据えていた。
(沢井史 / Fumi Sawai)