「ドラフトで一押し」―独立L武蔵の21歳が2発、元中日・若松から先頭打者弾

BC武蔵・加藤壮太【写真:細野能功】
BC武蔵・加藤壮太【写真:細野能功】

武蔵のリードオフマン加藤壮太「BCリーグでも一、二で抜けている存在」

 BCリーグ武蔵のリードオフマン加藤壮太(21)が左バッターの大型外野手として、プロの注目を浴びている。8日の栃木戦(小山運動公園野球場)では初回に元中日の若松駿太投手から右中間へ今季3号の先頭打者アーチを放つと、8回の第4打席では左腕投手から初球を右翼へ4号ソロ。1試合2本塁打でチームの勝利に貢献した。

 2打席目の無死一塁では一塁線にバント安打と小技も光った。武蔵の角晃多監督兼GMは試合前に「今年のドラフトでは一押し」と語っていたが、その通りのポテンシャルを発揮。打率は.280前後だったが、この日の3安打で.295まで上げた。

 50メートル5秒8の俊足を生かして11盗塁。187センチ、83キロとNPBの1軍でもひけをとらないバランスのとれた体型で「(武蔵に)入ってきた時は、バッティングが全然駄目だったが、時間をかけてじっくり育ててきた」(角監督)とここへ来て、バッティングの成長が目覚ましいという。4月20日の新潟戦では小野竜世投手(大阪体育大)から右翼へ今季2号の先制ソロを放ったが、「自分でも人生一番の当たり。テーマとしてやってきたことができた」と自画自賛の一発。NPBのスカウトもノックからビデオで加藤をマークし始めた。

 中京高校から武蔵に入団して3年目。高3夏の甲子園では、2回戦で敗れたものの、常総学院戦で三塁打を放ちアピールした。独立リーグではテークバックの際にスクエアに肩が回らず、グリップが上がる欠点が目立ったが、今季に入って「テーマとしてきたことが、修正できて、その結果が新潟戦のホームラン」と言う。理想の存在は阪神の糸井で「バッティング、守備、走塁と全ての面で一流」と憧れている。

「飛球の処理や、打球の追い方は、BCリーグでも一、二で抜けている存在ではないか。グリップを少し下げて下半身を使えるように直している」と角監督。150キロ前後の速球にはまだ差し込まれそうだが、この秋までの成長が楽しなバッターになってきた。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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