大谷翔平、日本人初サイクル安打は「単純に嬉しい。偉大な先輩がいる中で初めて」
三塁打を放ち王手をかけた後に快挙を意識「みんなに言われたので、そこから意識」
■エンゼルス 5-3 レイズ(日本時間14日・タンパ)
エンゼルスの大谷翔平投手が13日(日本時間14日)、敵地レイズ戦で日本人メジャーリーガーとして初となるサイクル安打を達成した。「3番・DH」で2試合連続スタメン出場すると、初回にいきなり先制の3ラン。第2打席で左中間を破る二塁打、第3打席でも三塁打を放って王手をかけ、7回の第4打席に中前安打。エンゼルス史上7人目(8度目)となる偉業を成し遂げた。
マリナーズなどでプレーしたイチロー元外野手や、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏でも達成できなかった、日本人メジャーリーガーとして初のサイクル安打達成。試合後、大谷は「単純に嬉しいなと、偉大な先輩がいる中で初めて達成できたのは嬉しいですし、自信になるんじゃないかなと思っています」と素直に喜びを語った。
初回無死一、二塁のチャンスで第1打席に立った大谷。1ボール1ストライクからの3球目、ヤーブローの投じたボールを捉えると、打球は弾丸ライナーで左中間スタンドへと突き刺さる先制の8号3ランに。打球角度19度、打球高度16.5メートルの衝撃の低空飛行弾だった。
3回の先頭打者で迎えた第2打席では左中間を真っ二つに破る二塁打。さらに、5回の第3打席ではフルカウントから右翼線への三塁打と立て続けに快音を響かせた。第1打席から本塁打、二塁打、三塁打と放ち、単打を残してサイクル安打に王手をかけた。
快挙達成は7回2死一塁の第4打席。3ボール2ストライクから2球ファウルで粘り、8球目を捉えた。内野手が大幅に一塁側に寄る“シフト”の中で、遊撃手の頭上を超える中前安打。エンゼルスでは、2013年5月21日のマリナーズ戦で達成したマイク・トラウト外野手に続き、史上7人目(8度目)のサイクル安打達成の快挙になった。
王手をかける三塁打を放った後に、サイクル安打を意識したという大谷。「三塁打打った後、みんなに言われたので、そこから意識しました」。単打を残すのみとなった第4打席だったが、大谷に“単打狙い”の思いはなし。「単打を打ちたいなということはなかったですけど、なんとかフォアボールでもいいから自分の仕事をしたいと思っていたので。しっかりボール判断もできていましたし、いい打席だったなと思っています」と語り、その中で快挙を果たす一打が飛び出した。
この日の先発は左腕のヤーブロウ。苦手とされる左腕から3ラン、二塁打、三塁打と立て続けに長打を放ち、試合後は「初回からいいスイングができたというのも良かったですし、左投手に対していい見え方で、結果も良かったんですけど、内容も良かったのが自分的には納得できて良かったんじゃないかなと思ってます」と納得の表情で振り返っていた。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)