日ハム復帰の吉川、黒星も札幌Dのファンに感謝「いい投球と言えない中…」
今季初先発も3回途中3失点で負け投手、栗山監督は「覚悟してしっかり投げていた」
■西武 8-2 日本ハム(4日・札幌ドーム)
巨人からトレード移籍した日本ハムの吉川光夫投手が4日、本拠地・西武戦で今季初先発し、3回途中3失点で負け投手になった。
6月28日の入団会見から6日。3年ぶりに復帰した古巣の本拠地で最高の立ち上がりを見せた。一緒にトレード移籍した宇佐見真吾捕手を女房役に、初回先頭の秋山から141キロ直球で三振を奪うと、源田を左飛、外崎をスライダーで空振り三振に仕留めた。
2回も無安打に抑えたが、3回につかまった。2本の安打と四球で1死満塁のピンチを招き、外崎に走者一掃の右中間三塁打を許した。次打者に四球を与えたところで降板。2回1/3を投げて3安打3失点の内容だった。
日本ハムに在籍していた12年には14勝5敗、防御率1.71でリーグ優勝し、MVPを獲得した。思い出の詰まった札幌ドームでの登板に「懐かしい感じがした。いいピッチングとは言えない中、拍手してもらい、うれしかった」と古巣の温かいファンに感謝した。
投球内容について「ファウルをしっかり取れたし、ボールは悪くなかった」と振り返った吉川。「打たれたのは高めにいった変化球」と外崎に投じた初球チェンジアップが甘く入ったことを悔やんだ。今季は最多で60球ほどしか投げておらず、この日は62球での降板となった。
栗山英樹監督は「ボールは悪くないし、覚悟してしっかり投げていた。やり方によっては吉川らしさが出ると思った」と評価した。今季リリーフとして起用された巨人では9試合で6回1/3を投げて防御率9.95という成績だった左腕の再生に光明を見出したようだ。
先発投手の台所事情が苦しい中、吉川は今後、長いイニングを意識して調整を進めていく。「しっかりイニングを投げられるようにしたい。(今日の)1回、2回のようなピッチングをどれだけ続けられるか」と力をこめた。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)