ロッテ角中、復帰いきなり全打席出塁 好打者ならではの不満「甘い球をファウルに」
第2打席で復帰初安打、残る3打席はいずれも四球
■ロッテ 4-2 西武(5日・ZOZOマリン)
左大腿直筋肉離れで戦列を離れていたロッテの角中勝也外野手が5日、1軍に合流し「6番・左翼」で即スタメン出場した。復帰戦は1安打3四球1得点と、その存在感を大いに見せつけた。
5月29日に戦列を離れた角中。そこから約1か月、復帰へ向けてファームでしっかりと調整。6月25日のイースタン・リーグの巨人戦で実戦復帰すると、4試合に出場し6打数3安打7四球。守備でも浅い左邪飛をダッシュで好捕するなど、万全の状態で一軍に帰ってきた。
復帰初打席は2回、2死走者なしの場面。2ストライクと追い込まれながらも9球粘って四球を選ぶと、5回の第2打席ではカーブを中前に運び、復帰初安打を記録。さらに6回、8回と四球を選び得点へつなげるなど、復帰戦で全打席出塁といきなりのフル回転だ。
「勝利に貢献できたのは、晴哉が打ってくれたから」と、謙遜気味だった角中。「とりあえず、やはり塁に出ることが仕事だと思って」というが、この日の打席内容、全てに満足していたわけではない。
「(3四球は)『ボール球を振っていない』ということはいいんですけど、仕留められるボールをファウルにしているというのもあるので、一概には四球が多いことがいいこととは言えないんです。甘い球をファウルにしたというのも、ちょいちょいあるので」
この試合、角中はファウルを5球打っている。特に印象的だったのは復帰1打席目。フルカウントとなってからの8球目、外角低めのチェンジアップが右翼線のわずかに外へ落ちたファウルだ。そのファウルを放ったあと、悔しさを隠さず表情に出していたこのボールは角中にとって、『仕留めきれなかったボール』の1つだったと推測される。
久々の1軍の試合に「勝ててよかった、くらいですね」と感想を口にした角中。過去2度の首位打者に輝いた稀代のバットマンの胸中は、復帰戦で結果として四球を選べたことを良しとするのではなく、求める打撃に自身がまだ到達しきれていないことに焦点を当てていた。
8回のホームイン時に、足を引きずるような走塁を見せていたことについては「いろんなところがつった。ちゃんとケアして、9回まで出られるように頑張ります。以上です」と、少しはぐらかし気味に角中自身は語っていた。
「ようやく(メンバーが)揃ったので、しっかりとスパートをかけていきたい」と井口監督が試合後語ったように上位浮上を狙うチームにとって、体のケアと、自らが求める技術的なケア。その両面が整った角中の存在が、今後の大きな鍵となりそうだ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)