先発投手負傷に手薄な投手陣… ロッテ吉井コーチが立てた「最高」の継投プラン

「ブルペンデー」は成功も… 後半戦で浮上を目指すためには「先発ピッチャーが必要」

 その「ブルペンデー」について吉井コーチは「やってみて思いましたが、ブルペンの準備も大変ですし、人数や投げるイニングが限られているので、やっぱり『打たれたらダメ』っていうプレッシャーが選手たちも感じていると思う。体の疲れもですが、心の疲れもあると思うし、見ている方もしんどかったので、本当、1か月に1回でもしんどいです」と振り返る。難しさを実感した様子だった。

「はっきり言って手薄なメンバー」と表現するロッテ投手陣。しかし、シーズンの中で積んできた様々な経験が糧となり、この日のチェンを始め、多くの結果をもたらしており「若い子はいい感じで成長してきている」と、吉井コーチ自身も成長を実感している。しかし、後半戦で浮上を目指すためには「先発ピッチャーが必要」だと訴える。

 オールスター明け、スタミナ勝負の夏場に続く6連戦と、その先にある過酷な10連戦&9連戦を見据え、まずは西野に2軍で先発調整を課した。さらに、9日に復活登板を果たした佐々木、「1軍で通用するボールを持っている」という土肥、小島、中村ら若手左腕トリオの1軍再昇格など、多くの選択肢を視野に入れながら先発投手陣の層を厚くしていく考えだ。

 また、リリーフ陣はワンポイントではなく「実力が発揮しやすい」とイニング頭から登板するケースが多かったが、「後半の追い込みどころ、勝負がかかってきたら違うやり方になるかもしれない」と今後は違った継投になっていく可能性も示唆する。

「本当にムチを入れた時にガンっと行けるように、今はぐっと抑えている状態、我慢している状態です」

 自身も競走馬を持つ吉井コーチらしく、競馬で言うならば勝負どころまで今は足をためている状態のロッテ投手陣。日本ハム、ソフトバンクと各チームで手腕を発揮した名伯楽が、今後若い投手陣をどのように運用し、勝負どころでムチを入れるのか。後半戦、ロッテ投手陣から目が離せない。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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