明治安田生命、屈辱乗り越え37年ぶり勝利! 完封の大久保「冷静に投げることができた」
先発の大久保は4安打8奪三振の好投で完封勝利
明治安田生命が2-0でホンダ熊本を完封勝利で下し、都市対抗本選で37年ぶりに勝利をおさめた。
明治安田生命は2回、1死一、二塁のチャンスで1番・高瀬が右翼線へ二塁打を放ち2点を先制した。その後は毎回走者を出しながらも得点をあげることができないまま試合は終盤へ。
7回には2死一塁から7番・井村の中安打でスタートを切った一塁走者が一気に三塁を狙うも、ホンダ熊本の中堅手・若林の好返球で三塁タッチアウト。8回にも1死一、三塁と追加点のチャンスを作ったが、2番・木田の中犠飛の間にタッチアップで本塁を狙った三塁走者がまたも若林のレーザービームで本塁生還を阻止された。
11安打を放ちながらも得点は2回にあげた2点のみと苦しい攻撃だったが、この2点を先発の大久保が守り抜き4安打完封勝利。高瀬が先制タイムリー含む3安打猛打賞でチームの2回戦進出に大きく貢献した。
今大会完封勝利一番乗りとなった大久保は「フワフワすることなく、自分らしく冷静に投げることができた」と好投の要因を語った。4年ぶりに本大会出場を果たしたチームの先陣を最高の形で飾った右腕は「今日はひとりで投げましたけど、次はみんなで投げる感じになるかなと思います。今日勝てたので、みんなリラックスしてめいっぱい投げてほしい」と笑顔を見せた。
チームの雰囲気は最高潮に達している。昨年の89回大会では東京都の企業チームが次々本選出場を決める中、明治安田生命だけ予選敗退。「会社に行きたくなかった。どんな顔をしていけばいいのかわからなくて」とプレッシャーに押しつぶされそうにもなった。チームからは多くの選手が補強選手として本選に出場したが、「(補強先のチームが)どう取り組んでいるのかとか、それぞれが経験できたのがよかったと思う。他のチームに感謝したいです」とチームとしても個々の経験を財産に変えてきた。
秋には日本選手権で1回戦敗退。またも屈辱を味わった。大久保は投球の幅を広めるために、スライダーとフォークボールの習得を決意し、この日の晴れの舞台では8奪三振の快投を見せ、チームの歴史的1勝に大きく貢献した。大久保は「なかなか(本選に)出れていなかった。出ても勝てなくて。本当の喜びをみんなで分かち合えてよかったです」と、この日の1勝を噛みしめていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)