「自分が怖い」2打席連発の慶大・郡司が侍ジャパン大勝に貢献…日米大学野球
チームの共通意識は「初球からガンガン振っていい」
2本塁打とも「入ると思わなかった」と言うが、裏を返せば迷いなく振り切れたこその打球のひと伸びだった。試合前、まだスタメン出場のない元山飛優内野手(東北福祉大)がナインを集め、こう呼びかけた。
「オープン戦のバッティングを思い出そう」
今大会開幕前の14日に行った広島2軍との試合。野手陣はみなアピールしようと思い切りよく振っていた。その言葉にハッと気づかされた郡司は「初志貫徹の精神」を再確認。「初球からガンガン振っていい」というチームの共通意識にも背中を押され、吹っ切れた結果が奏功した。
前日19日の1安打完封負けから一転、ついに覚醒した侍ジャパン打線。対戦成績は2勝2敗の五分に戻した。あとは、有終を――。両手に残る最高の感触の余韻もそこそこに、郡司が表情を引き締める。「背水の陣から這い上がっていくしかない」。負けられない21日の最終第5戦。その大一番に向かう号砲になったことには間違いない。
(小西亮 / Ryo Konishi)