鷹・上林、12試合ぶり一発 試合前に王貞治会長が熱血アドバイス「完全に“会長弾”」
7月8日以来の本塁打はバックスクリーン右のスタンド中段に届き「人生で1番飛んだ」
■オリックス 6-2 ソフトバンク(26日・ヤフオクドーム)
ソフトバンクの上林誠知外野手が、一矢報いるアーチを放った。26日、本拠地ヤフオクドームでのオリックス戦。5点ビハインドの9回に、7月8日の西武戦(東京D)以来の本塁打を放った。
今季この試合まで打率.182と低迷していた上林。この日はスタメンから外れ、7回に長谷川勇の代走として途中出場していた。2死走者なしでこの日最初の打席に立つと、2ストライクと追い込まれてからの3球目、近藤の真っ直ぐを完璧に捉えた。打球はバックスクリーン右のスタンド中段まで届く特大の一発に。2本塁打を放った7月8日の西武戦以来、12試合ぶりの本塁打だった。
この日の試合前、練習に姿を見せた王貞治球団会長から付きっきりでアドバイスを受けた。身振り手振りを交え、ティーバッティングなどで指導を受けた。さらに練習終了後には、解説でドームを訪れていた松中信彦氏にもベンチに腰を下ろして助言を受けていた。
2人の偉大な打者からのアドバイスを受けた上林は「打席の中ではシンプルに」と語り、試合に臨んでいた。その1打席目でいきなり最高の結果を残した。試合後は「完全に“会長弾”です。人生で1番飛びました」と、その飛距離に驚きの様子。そして「飛距離も良かったですし、センター方向で満足できる本塁打だった。自分のポイントで打てた」と手応えを感じた様子だった。
今季は右手の剥離骨折による離脱などもあり、なかなか打撃の調子が上向いてこなかった。この日まで打率.182、8本塁打22打点と本来とは程遠い姿だった。久々に手応えを感じる打撃に「続けないと意味がない」と語った上林。この一発が完全復活への足がかりとなることを期待したい。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)