NPB復帰を目指す元中日助っ人右腕 「スピードガンコンテストで終わったら意味ない」

課題はストレート以外の球種「空振りが取れる変化球とコントロールがないと」

 メジャー傘下のチームで開幕を迎えた18年。5月に契約を解除されたが、すぐに新たな道に恵まれた。米国の代理人経由で岩村監督の耳に情報が入り、6月には福島への入団が決定。昨季は20試合で20イニング1/3を投げて防御率0.00(2失点)。指揮官は「もちろんNPBに送り出したい気持ちもありますが、チームにとってはもう頼みの綱ですよ」と信頼を寄せる。

 その存在の大きさは、マウンドの上だけではない。球団事務所の上の階にともに住む外国人選手たちの中で、お兄さん的な存在。若い日本選手たちの前でも、見本となって常に冷静に行動するといい、チーム関係者は「誰よりも大人です」と言う。岩村監督も「内申点が高いというか、チームの雰囲気を乱すことなく、本当にひたむきに取り組んでくれている」と眼を細める。

 家族と離れてでも、ロンドンが異国で続ける挑戦。「中日にいた時のように、もっとレベルの高い場所でプレーをしたいんです。日本もアメリカも難しい環境ですが、アメリカはもっとチャンスが少ない。それに日本が好きですしね」。BCリーグ2年目の今季は、7月25日時点で19試合に登板して0勝3敗7セーブ、防御率3.32。直球の最速は156キロと変わらない威力を誇る。

 NPBでの雪辱へ、課題も明白にある。「スピードガンコンテストで終わったら意味ないわけだから。やっぱり空振りが取れる変化球とコントロールがないと」。そう指摘する指揮官の言葉を、ロンドン自身も胸に刻む。「左打者にはフォーク、右打者にはスライダー。しっかり低めに投げていかないといけません」。今季返り咲くためには7月31日がリミットとなるが「アピールを続けていきます。今年も、来年も、まだやりたい」。東北の地でたぎらせる情熱は、一向に冷めそうにない。

(小西亮 / Ryo Konishi)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY