プロも注目する強打の22歳 独立L群馬の“アーロン・ジャッジ”がNPBで描く夢
184センチ、99キロ 地元の強豪・桐生第一高出身の22歳 速水隆成捕手
ルートインBCリーグ・群馬の22歳の長距離砲がプロの舞台を目指して汗を流している。速水隆成捕手は、チーム打率3割を超す強打の群馬にあって、前期優勝を決めた6月18日の茨城戦(美浦村、光と風の丘公園野球場)では満塁アーチを放つなど、4年連続8回目のFUTURE-East(東地区)の前期優勝に大きく貢献した。憧れはヤンキースのアーロン・ジャッジ。大きな体でコンパクトなスイングでスタンドに打球を運ぶ姿に魅了され、NPBのファンを沸かせる日を夢見ている。
8月3日の茨城戦(太田)では4番に座り、5打数4安打2本塁打4打点。4日の茨城戦(牛久運動公園野球場)は2-1と辛勝で4打数無安打に終わったが、捕手として、二塁への盗塁を連続して刺すなど、懸案とされていた送球も無難にこなした。
外国人選手を除くチーム内の野手では、青木颯内野手と並んで、NPBに一番近い選手と言える。昨年もNPB球団から調査書も届いていたが指名はなかった。シーズンが終わると産業廃棄物会社でアルバイト。それでも184センチ、99キロと恵まれた身体を力仕事に生かしている。
「飛距離自体は伸びている。あとはいかに長打の確率を上げていくか。基本はバックスクリーン狙いです」。強打をアピールする速水の憧れは、ヤンキースで2017年に52本塁打と歴代1位の新人本塁打記録を樹立し、新人王と本塁打に輝いたアーロン・ジャッジという。「差し込まれても、逆方向へホームランを打ってお客さんを楽しませている。上半身の使い方がめちゃくちゃうまい。あのでかい身体でコンパクトに振る」。201センチ、128キロの本家には及ばないが、ジャッジのビデオを見て「いかに無駄な動きをなくしてコンパクトに振れるか」と形を一生懸命まねている。
速水は元々、一塁手で、本格的に捕手に取り組んだBCリーグ2年目の2017年から。フットワークを生かして送球できるように、しっかり鍛えていけば、伸びしろは十分にある。群馬・平野謙監督は「(憧れて)まねをすることはいいこと。自分も(中日時代)田尾さん(元楽天初代監督)のバッティングを参考にした」と振り返る「セカンドへの送球も安定してきた。配球を含めて、やりながら。経験です」と指揮官が成長を認めている強打者のこれからの奮闘に注目だ。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)