日本球界100勝まであと2…阪神38歳メッセンジャーは再起するか?

阪神のランディ・メッセンジャー【写真:荒川祐史】
阪神のランディ・メッセンジャー【写真:荒川祐史】

5年連続開幕投手を務めた阪神メッセンジャーは今季3勝7敗、防御率4.69

 阪神のランディ・メッセンジャーは昨年4月16日、NPBの国内FA権を取得した。今年も阪神との契約を更新したことで外国人選手枠から外れ、日本人選手と同じ扱いとなった。これはNPB史上8人目、阪神の外国人選手としては初めてだ。

 現在のNPBでは1軍公式戦に出場できる外国人選手は投手、野手合わせて4人で投手も野手も最大3人までと決められている。指揮官は外国人枠の中で選手を起用しなければならないが、今季からメッセンジャーは日本人選手と同様に起用できるようになった。今季の阪神はメッセンジャーも含め、最大5人の外国人選手を試合に出すことが可能になったが、まだ実現していない。

 メッセンジャーにとって、今季は大きな目標があるシーズンだった。MLB傘下出身の外国人選手としてジョー・スタンカ、ジーン・バッキー(ともに100勝)に続く史上3人目の「100勝」まであと5勝と迫っていたのだ。

○今季の戦績

3月29日(ヤ)7回6安0本3球5振 責1
4月5日(広)6回4安1本2球3振 責2○
4月12日(中)6回8安2本3球8振 責5●
4月19日(巨)4回8安2本3球4振 責4●
5月4日(De)9回3安0本2球3振 責1○
5月11日(中)5回6安0本2球2振 責3●
5月18日(広)7回5安2本2球4振 責4●
5月25日(De)5.2回6安0本8球4振 責6●
6月4日(ロ)6回5安0本3球5振 責3○
6月11日(ソ)9回4安1本1球6振 責2
6月18日(楽)7回4安1本5球3振 責2
7月4日(De)5回7安1本2球5振 責4●
7月10日(巨)2回5安1本2球2振 責4●

 メッセンジャーは今季も開幕投手だった。これは2015年から5年連続、通算6回目。勝ち星はつかなかったものの、7回自責点1と好投。2試合目に初勝利を挙げたが、以後、好不調の波が大きい投球を続けた。4月と6月の後半にはローテーションも外れた。そして7月1日の巨人戦で今季最短の2回でマウンドを降りると11日に登録を抹消され、27日には右肩の治療とリハビリのために米国に帰国してしまった。

 今季の通算成績は13試合に先発して3勝7敗、78回2/3で71安打11本塁打、38四球、54奪三振、防御率4.69。メッセンジャーは2015年の3544球をはじめ、毎年のように3000球以上を投げるなど抜群のスタミナを誇っていた。1試合当たりの球数も120球を超すことが珍しくなかった。

 それだけに阪神は絶対的な信頼を置いてきたが、メッセンジャーも8月13日で38歳。そろそろ限界が近づいたというところか。メッセンジャーはMLBで4勝を挙げており、今年4月5日の勝利で「日米通算100勝」は達成した。しかし、NPBでの100勝まではあと2勝。メッセンジャーとしても何としても達成したいのではないか。今後の動向が注目される。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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