光った鳴門のボールの見極め データで楽しむ夏の甲子園【4日目・第1、2試合】

仙台育英は20得点もOPSは1.204にとどまる

○仙台育英 20-1 飯山

攻撃指標
【仙台育英】
打率.471 OPS 1.204 wOBA 0.563
O-swing% 35.1% Z-swing% 77.5% Swing% 54.2%
O-contact% 58.8% Z-contact% 83.9% Contact% 75.0%
Zone% 45.2% SwStr% 11.8%

【飯山】
打率.071 OPS .175 wOBA .084 
O-swing% 25.5% Z-swing% 85.5% Swing% 56.6%
O-contact% 30.8% Z-contact% 80.9% Contact% 70.0%
Zone% 51.9% SwStr% 17.0%

 24安打10得点と仙台育英が飯山を圧倒しました。ただOPSは1.204と20得点の割にそこまで大きくないと感じた方もいるのではないでしょうか。2日目に出場し11得点した履正社のOPSは1.276ですので、それを超えていないのです。履正社は42打数5本塁打36塁打で長打率.857であるのに対し、仙台育英は51打数ホームラン0、35塁打で長打率が.686。この差が影響していたのです。

 飯山の投手陣は球が上ずっていたのでしょうか、高めへの投球が48.6%もありました。それを仙台育英が少々強引に打ち返して行きました。それはO-swing%「35.1%」、O-contact%「58.8%」からもうかがえます。

 飯山は3回に四球とヒットで先制点を奪いましたが、結局ランナーが出たのはその回と7回のみ。OPS.175と苦しい戦いとなりました。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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