大谷翔平、打撃練習で“野球の神様”の偉大さを再確認 最長153M弾に「分からないです…」
テッド・ウィリアムズの球場史上最長153メートル弾の落下地点を知った大谷
エンゼルスの大谷翔平投手が、前日9日(日本時間10日)のフリー打撃で右中間席に放った特大弾が話題を呼んでいる。敵地レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークの右中間席には、1946年にテッド・ウィリアムズが放った球場史上最長の502フィート(約153メートル)本塁打の落下地点「ザ・ローン・レッド・シート」があるが、大谷の打球はそこから5列前の通路付近に着弾した。
1912年に開場となった大リーグ最古の伝統が息づく同球場には全米各地から野球ファンが足を運ぶ。午後4時7分開始となった10日の試合前、緑のプラスチック製の座席が占める右中間スタンド42セクション37段目の21番シートを2組の家族連れが取り囲んでいた。そこで73年前の出来事を歯切れ良く説明し終えたガイドが帰り際に「オオタニのはあそこだよ。凄いね!」と示したのが、5列前32段目の反対側通路だった。
「赤いシートまで飛ばせるか?」
今季8度目のブルペン投球を終えた大谷はその問い掛けに視線を外野に向け、「タイミングが合えば間違いなく行くと思いますけど」と自信の返答。しかし、大谷が見つめていたのは右翼ポール後方一体を占める赤い座席で、右中間スタンドの上段にある一席と改められると、視界に捉えた紅一点にじっと目をやり、一呼吸おいて一言。
「分かんないです……」
通算521本塁打を放ち最後の4割打者である「打撃の神様」、テッド・ウィリアムズの偉大さに触れた大谷は、この日の試合で今季25度目のマルチ安打を記録し、チームの連敗を8で止める勝利に貢献した。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)