西武栗山、通算100号の勝ち越し2ラン! 劇的一発に「興奮しちゃいました」
中村からは「やっと100か」と“祝福”を受ける
■西武 4-2 ロッテ(11日・ZOZOマリン)
西武の栗山巧外野手が11日のロッテ戦(ZOZOマリン)で8回に松永から第6号勝ち越し2ランを放ち、史上295人目となる通算100本塁打を達成した。
高く舞い上がった打球が、右中間スタンドに消えた。この日は不振の山川に代わって中村が2年ぶりに4番に戻り、栗山が5番に座っていた。同点で迎えた8回2死から中村が四球で出塁すると、続く栗山が初球を捉え勝ち越しアーチを描いた。
一塁を回ると、思わずガッツポーズを作り喜びを爆発させた栗山。ここまで3打席ノーヒットだっただけに「(それまで)いい内容ではなかったですし、なんとか打ちたいと思っていた。興奮しちゃいました」と歓喜の瞬間を振り返り、照れ笑いを浮かべた。「まさかそういう結果になると思っていなかったので、嬉しかったです」とチームの勝利を呼び込んだ一発を噛みしめた。
18年目のシーズンは、「7番・指名打者」で開幕を迎えた。今季はここまで打率.235と調子が上がらず、若手の台頭もあり先発出場を外れることもあるが、“代打の切り札”としてここ一番の場面で何度も勝負を決めてきた。同期入団の中村が7月19日のオリックス戦(メットライフ)で400号本塁打を達成したばかり。
「僕はまだ100。気にする数字ではない」と謙遜していた栗山だが、この日の100号達成には中村から「やっと100か」と中村らしい短い言葉で祝福された。中村と栗山は「剛柔」とまるで反対の存在だが、現役時代長く2人とプレーした上本ブルペン捕手は「同じような感じの2人だったらトゲトゲしていたかもしれない。だからよかったのかもしれない」とチームをけん引するベテラン2人の関係性を語った。栗山の一打でチームは7月6日以来の2位に浮上した。真獅子の骨と牙が、上位に食らいつくチームをどっかりと支えている。
(安藤かなみ / Kanami Ando)