【MLBドリームカップ】桑田真澄氏、投手&遊撃の二刀流出場「ずっと投げてもいいけど大人げない」
桑田真澄氏が率いる桑田パイレーツが初戦突破 桑田氏は2打数無安打も1回無失点
軟式野球の第5回MLBドリームカップ全国決勝トーナメントの出場権を懸けた関東地区・東京Bブロック予選は12日、天王洲公園野球場で1回戦の残り1試合と2回戦3試合が行われ、巨人のエースとして活躍した桑田真澄氏が選手兼監督として率いる「桑田パイレーツ」が初戦の2回戦に登場。「東京楽天ゴールデンイーグルス」と対戦し、4-3の競り合いを制した。先発した桑田氏は2回の守備から遊撃に回るという“二刀流”を見せた。
初回に足を絡めた攻撃で首尾よく2点を奪った桑田パイレーツだが、2回1死二、三塁から東京楽天の宮本卓弥に左越え本塁打を浴びて逆転された。それでも4回1死一塁の場面で大森雄貴が右中間を深々と破るランニング本塁打。起死回生の逆転打が飛び出すと、3番手の左腕・岡崎裕一が完璧なクローザー役をこなし、接戦をものにした。
巨人時代と同じ背番号18のユニホームでプレーした桑田氏は、「苦しい展開だったが、最後まであきらめずに戦ったことが勝利につながりましたね」と日焼けした顔をほころばせた。1回だけのマウンドについては「ずっと投げてもいいんだけど、それでは大人げないじゃないですか」と笑わせ、「チームは僕の教え子ばかりなので、大会を通じて試合の楽しさや厳しさを学んでもらいたい」と理由を説明した。1回の投球内容は投ゴロ、一塁強襲打、空振り三振、二ゴロだった。
高校時代から打撃には定評のあった桑田氏だが、この日は空振り三振と二ゴロの無安打。「実はバックスクリーンのない球場でやるのは初めてで、ボールがどこから出てくるのか分からなかった」と話した。それでも「ずっと恵まれた環境でやってきたので、こういうことにも慣れていかないと。勉強になりました」と常に前向きで研究熱心な桑田氏らしい言葉で締めくくった。
巨人で12シーズンに渡ってチームメートだった岡島秀樹氏が率いる「岡島ベースボールクラブ」が、この日の第1試合に快勝。再会して握手を交わし、「対戦してみたいね。今日は登板しなかったけど、その時は恐らく投げてくるでしょう。互いに勝ち上がって戦いたい」と決勝での対決を望んだ。
桑田パイレーツは2度目の出場となった昨年、東京Aブロックを勝ち上がり関東地区代表決定戦へ進出。チームは桑田氏が会長を務めていたボーイズリーグ、川崎市の麻生ジャイアンツや東京大学硬式野球部コーチ時代の教え子らで結成した。
大阪・PL学園高校から86年、ドラフト1位で巨人に入団した桑田氏は2年目に沢村賞、94年には最優秀選手に輝いたほか最多奪三振も記録。巨人には06年までの20年間在籍した。07年から米大リーグ、パイレーツでプレーし、08年3月に現役を引退した。
大会はまず都道府県別にブロック予選を行った後、全国8地区での代表決定トーナメントを実施。さらに東日本(北海道-東北、北信越-関東)と西日本(東海-関西、中国・四国-九州・沖縄)で代表各2チームを決定し、4チームが全国決勝トーナメントに進出する。昨年は北海道地区代表の神出設計ecoaハウスが初優勝した。
(河野正 / Tadashi Kawano)