2打席連発の鶴岡東・丸山は2試合でOPS2.63と圧巻 …データで楽しむ甲子園【9日目】
ゴロの打球が目立つ試合、打力は互角も四球とエラー出塁の差が勝敗を分ける
関東一 6-5 熊本工
攻撃指標
【関東一】
打率.250 OPS.623 wOBA.346
O-swing% 17.4% Z-swing% 60.3% Swing% 39.4%
O-contact% 50.0% Z-contact% 93.2% Contact% 83.9%
Zone% 51.4% SwStr% 6.3%
【熊本工】
打率.219 OPS.515 wOBA.233
O-swing% 22.6% Z-swing% 69.2% Swing% 46.5%
O-contact% 42.9% Z-contact% 91.1% Contact% 79.7%
Zone% 51.2% SwStr% 9.4%
○関東一・土屋大和投手の各指標
9回 打者数35 投球数127
WHIP 1.00 P/IP 14.11 GB/FB 3.67
ストレート32.3% スライダー 24.4% チェンジアップ22.8% フォーク17.3%
Zone% 51.2% 空振り率 9.4%
○熊本工 投手の各指標
林彪太郎
5回 打者数27 投球数109
WHIP 2.40 P/IP 21.80 GB/FB 5.50
ストレート46.5% スライダー43.0% チェンジアップ7.7%
Zone% 51.4% 空振り率 6.3%
村上仁将
3回 打者数11 投球数33
WHIP 0.33 P/IP 11.00 GB/FB 3.50
ストレート51.5% スライダー24.2% チェンジアップ12.1% カーブ12.1%
Zone% 63.6% 空振り率 6.1%
登板した3投手のGB/FBがすべて3以上という数値からもわかるようにゴロの打球が目立つ試合でした。熊本工のゴロ打球は22、関東一は29にもなりました。
関東一の土屋投手は序盤から外角に集める丁寧なピッチング。その割合は66.1%とほぼ7割近く外角へ投じています。前試合ではスライダーで13%の空振りを取っていたのですがこの試合では3.2%とあまりキレはなかったようです。ただZone%71%とカウントを取りにいく球として使い、ストレートで17%の空振りをとって切り抜ける投球術でしのいでいきました。熊本工の両投手とも、ストレート主体のピッチングで、チェンジアップを武器に空振りやゴロを量産して打ち取るスタイルであることがわかります。
打力はほぼ互角の数値ではありましたが、関東一は四球5、エラー出塁2が加わってます。OPSには四球の差、wOBAには四球とエラー出塁の差が反映されており、その差が1点差という形で現れました。
鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。