作新学院・林、内角攻めで好投…データで楽しむ夏の甲子園【第10日・第1、第2試合】

中京学院大中京・不後、光る変化球の切れ、東海大相模の1年生・石田も合格点の投球

○中京学院大中京 9-4 東海大相模

【中京学院大中京】
打率 .405  OPS .932  wOBA .409
O-swing% 26.6%  Z-swing% 66.0%  Swing% 46.3%
O-contact% 68.0%  Z-contact% 91.9%  Contact% 85.1%
Zone% 50.0%  SwStr% 6.9%

【東海大相模】
打率 .270  OPS .747  wOBA .360
O-swing% 22.8%  Z-swing% 72.4%  Swing% 48.8%
O-contact% 44.4%  Z-contact% 87.3%  Contact% 77.8%
Zone% 52.4% SwStr% 10.8%

○中京学院大中京・不後祐将投手の各指標

6回1/3  打者数28  投球数112 
WHIP 1.42  P/IP 17.68  GB/FB 1.38
ストレート45.5%  スライダー29.5%  カーブ12.5%  フォーク10.7%
Zone% 53.6% 空振り率 14.3%

○東海大相模・石田隼都投手の各指標

5回  打者数21  投球数93 
WHIP 1.20  P/IP 18.60  GB/FB 2.75
ストレート57.0%  スライダー26.9%  チェンジアップ16.1%
Zone% 53.8%  空振り率 8.6%

 東海大相模の先発、石田投手のコース別割合は外角69%、高め50%でした。高めのストレートでファウルを誘い、低めのストレートでゴロに打ち取り、チェンジアップで空振りを取るという組み立てで、5回を被安打5、5奪三振、与四死球1、WHIP1.20の1失点。1年生ながら先発としての役割を果たしたといえるでしょう。

 中京学院大中京が猛反撃に出たのは7回でした。東海大相模の継投策に対して、甘く入ったストレートやスライダーを逃さずとらえ、8安打を集中して7点を挙げて試合の主導権を握りました。OPS.932は2回戦の北照(南北海道)戦の.732を上回りました。

 中京学院大中京の不後投手は先発として5回2/3を2失点で一度は降板。左翼の守備に就きましたが7回1死から再登板し。2人の出塁を許したものの2/3回を無失点に抑えました。不後投手のスライダーでの空振り率は18%、フォークで25%、カーブで29%と、変化球の切れの良さがデータに現れています。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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