先発からの配置転換が名ストッパーを生む? 過去に活躍したパ投手を振り返る

元ロッテの薮田氏、元ホークス&オリックスの馬原氏も先発から配置転換

○薮田安彦氏(元・ロッテ)

通算成績:520試合48勝72敗112ホールド67セーブ 1009回1/3 710奪三振 防御率3.81

 薮田氏はプロ2年目の1997年に先発として規定投球回に到達し、勝敗こそ5勝9敗ながら防御率3.94と一定の活躍を見せた。しかし、その後はローテーション定着を果たすことができず、長期にわたって伸び悩むことに。そんな中で、プロ9年目の2004年に本格的にリリーフへと転向したことが、薮田氏にとって大きな転機となる。

 この年、薮田氏は66試合で77回1/3を投げ抜いて防御率2.79と安定した投球を見せ、リリーフ陣の主力としての地位を確かなものとすると、続く2005年には藤田宗一氏、小林雅英氏と「YFK」と呼ばれた強力な勝ちパターンを形成。チームにとって31年ぶりとなる日本一の一助となり、2006年からは2年連続で2点台の防御率を記録。2007年には38ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルに輝き、快速球とフォークを武器に活躍を続けた。

 2008年からの2年間は大リーグ・ロイヤルズに活躍の場を移したが、2010年に古巣・ロッテに復帰すると、63試合で28ホールド、防御率3.15とかつてと同様の安定感で、同年の「史上最大の下克上」と呼ばれた日本一にもリリーフ陣の軸として貢献した。翌2011年には小林宏之氏の退団を受けてクローザーとなり、53試合で31セーブ、防御率1.75と大活躍。続く2012年にも61試合で26セーブを挙げ、抑えとしても確かな存在感を発揮した。

○馬原孝浩氏(元・ソフトバンク、オリックス)

通算成績:385試合23勝31敗47ホールド182セーブ 480回1/3 455奪三振 防御率2.83

 2003年ドラフトの目玉として自由枠でダイエー(現・ソフトバンク)入りを果たした馬原は、即戦力として1年目から先発ローテーションに加わるような活躍が期待されていた。しかし、プロ1年目の2004年は先発8試合、リリーフ3試合で防御率6.30と振るわず。翌2005年も開幕から先発として6試合に登板したものの、2勝4敗、防御率4.75と結果を残せなかった。

 なかなかプロの打者に適応できずに伸び悩んでいたが、前年の新人王を獲得した三瀬幸司氏が調子を崩したこともあって6月からリリーフに回ると、大学時代から高く評価されていた才能が大きく開花。リリーフとしては36試合で4勝2敗2ホールド22セーブ、防御率1.58と抜群の安定感を発揮し、すぐさま首脳陣の信頼を掴んでクローザーに定着。翌年以降もホークスの守護神として活躍を続け、長年にわたって不動の地位を築いていく。

 2006年には51試合で29セーブ、防御率1.65と前年同様の快投を見せ、2007年には54試合で38セーブ、防御率1.47で最多セーブのタイトルを獲得。リリーフ転向後の7年間で180セーブを記録し、粘り強い投球でチームに多くの白星をもたらした。2012年に大ケガでシーズンを棒に振ってからは故障との戦いが続いたが、2014年にオリックスでセットアッパーとして復活。55試合で32ホールドを記録し、優勝目前まで迫る快進撃を見せたチームを支えた。

○アレックス・グラマン氏(元・西武)

通算成績:150試合13勝18敗11ホールド52セーブ 245回1/3 160奪三振 防御率3.82

 193センチの長身から繰り出される角度のあるボールを持ち味としたグラマン氏は、先発の一角に加わることを期待されて西武に入団。しかし、来日初年度の2006年には13試合で4勝6敗、防御率4.26と結果を残せず。2年目の2007年も開幕から先発ローテーションに入ったが、10試合を終えた段階で2勝6敗、防御率5.33と、前年以上に苦しい投球が続いていた。

 日本球界に適応できずに苦戦していたグラマンだったが、2007年途中にリリーフに転向してからは見違えるようなピッチングを見せていく。米マイナー時代も先発としての登板がほとんどでリリーフ経験は乏しかったが、ブルペンに回ってからは速球が150キロを超えるようになり、球威の向上に伴って変化球も生きるように。7月からはクローザーも任され、リリーフとしては30試合で2勝0敗2ホールド17セーブ、防御率2.08と安定した投球を見せた。

 続く2008年も抑えを任され、開幕から18試合連続で自責点0という好投でチームの快進撃を支える存在の一人に。その後もシーズン防御率0点台の可能性を最終盤まで残すほどの支配的な投球を続け、リーグ2位の31セーブを記録。55試合で防御率1.42と申し分のない働きを見せ、チームの日本一にも大きく寄与した。翌年以降はケガの影響で本来の投球を見せられなかったが、異国の地で才能を開花させた長身左腕が残したインパクトは大きなものだった。

平野は配置転換後も活躍、メジャーでも活躍するほどに

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