星稜・奥川、“抑えて”圧巻7回零封…データで楽しむ夏の甲子園【第13日目】
3回戦で20%を超えていた奥川のスライダーの空振り奪取率は13.2%
○星稜9-0中京学院大中京
攻撃指標
【星稜】
打率.367 OPS.959 wOBA.418
O-swing% 15.1% Z-swing% 66.7% Swing% 42.2%
O-contact% 81.8% Z-contact% 94.4% Contact% 92.3%
Zone% 52.6% SwStr% 3.2%
【中京学院大中京】
打率.069 OPS.138 wOBA.060
O-swing% 26.7% Z-swing% 62.9% Swing% 47.7%
O-contact% 50.0% Z-contact% 76.9% Contact% 70.6%
Zone% 57.9% SwStr% 14.0%
○星稜・奥川恭伸投手の各指標
7イニング 打者数23 投球数87
WHIP 0.29 P/IP 12.43 GB/FB 1.80
ストレート 割合 57.6% Zone% 64.2% 空振り率 13.2%
スライダー 割合 29.3% Zone% 63.0% 空振り率 14.8%
チェンジアップ 割合 9.8% Zone% 33.3% 空振り率 11.1%
全投球中の空振り率 14.1% 外角割合 64.4% 低め割合 46.0%
中2日での先発登板の星稜・奥川投手は、この日もK% 43.5%という、3回戦の智弁和歌山戦での47.9%に匹敵する奪三振率をマーク。7回2安打無失点のハイクオリティスタート登板となりました。
打線も前試合と同様、序盤3回までに6点を援護。このリードのおかげでしょうか、奥川投手の配球もストレートが多めになりました。
イニング別平均球速も
1回 144.8km/h
2回 147.3km/h
3回 148.0km/h
4回 149.6km/h
5回 147.8km/h
6回 146.0km/h
7回 144.6km/h
と、前回登板と比較すると、抑え気味の投球となっています。抑えてこの球速が出ること自体がすごいことなのですが…。
奥川投手の球種別空振り奪取率を見ると、すべての球種で10%以上となっていることが分かります。しかしながら、ここまでの試合で奥川投手はスライダーで20%以上の空振りを奪っていましたが、この試合での奪取率は13.2%。中京学院大中京の打者が奥川投手のスライダーになんとか対処しようと食らいつく様子が伺えました。
鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。