日本一の夢はまだ諦めない… 昨夏準V金農メンバーがクラブ選手権に出場したワケ
昨夏準V3人が所属するゴールデンリバース、初戦敗退も「3年で日本一に…」
昨夏の甲子園で“金農旋風”を巻き起こした秋田の金足農の選手たち。日本ハムに入団した吉田輝星投手をはじめ、高校卒業後はそれぞれの道を歩み始めている。27日に大会2日目が行われた第44回全日本クラブ選手権では、甲子園準Vメンバーの3人の姿があった。
北信越地区代表の千曲川硬式野球クラブに4-0で敗れた東北地区代表のゴールデンリバース(東北地区代表)。このチームでプレーしているのが、昨夏の甲子園の2回戦・大垣日大戦で決勝本塁打を放った大友朝陽外野手、準々決勝・近江戦でサヨナラ2点スクイズを決めた斎藤璃玖内野手、吉田輝星投手(現日本ハム)の女房役を務めた菊地亮太捕手の3人だ。予選では1年目ながら主力として活躍し、東北第1代表として全国の切符を掴み取った。
昨夏の甲子園では決勝で大阪桐蔭に破れ、あと一歩で日本一を逃した金足農。今年の甲子園もテレビで観ていたという大友は「決勝は良い試合だった。自分たちは決勝で良い思い出がない。ぼこぼこにされたので……」と日本一への未練もある。クラブ選手権では、今年は初戦敗退となってしまったが「甲子園は1回しかなかったけど、この大会はこれからもある。3年のうちに日本一を目指したい」とすでに次を見据えていた。
高校時代とは違い、普段は仕事をしているため、全体練習は週1回。秋田県庁で働いている菊地は、仕事に忙しくてなかなか練習時間が確保できないと話す。それでも「週1で会うと成長した部分が見えてくる。自分も負けないように頑張ろうと思う」と高校時代からのチームメートに刺激を受けて、必死に練習時間を確保している。
「来年また戻ってきて、次こそはベスト4以上、日本一。それに向けて1つ1つの大会で手を抜かずに全力でやって、結果的に日本一になりたい」と語ったのは斎藤璃。高校卒業後は野球を続ける予定ではなかったが、野球を続ける多くの仲間に影響されてゴールデンリバースに入った。現在ではプロ入りも含めて「常に上を目指している」と力強く話した。
吉田輝も6月12日にプロ初登板で初勝利を挙げ、その後はプロの壁に跳ね返されながらも奮闘している。甲子園準優勝から1年が経ったが、“金農旋風”を巻き起こした男たちはそれぞれの舞台で奮闘している。
(工藤慶大 / Keita Kudo)