「危機は去った」―田中将大が8敗目も辛辣NY紙は復活に太鼓判、世界一に期待
打線の援護なく黒星も好投「敗北の中で勇敢な奮闘」
■レンジャーズ 7-0 ヤンキース(日本時間3日・ニューヨーク)
2日(日本時間3日)の本拠地レンジャーズ戦で好投したヤンキースの田中将大投手。チームは0-7で敗れ、田中も今季8敗目(10勝)を喫したが、6回7安打2失点という結果を辛口なニューヨークメディアは「マサヒロ・タナカの危機は去った」と称賛。日本人右腕の“復活”に太鼓判を押している。
降雨の影響で約3時間、試合開始が遅れた一戦。田中は初回に先制点を献上したが、その後はいつもの安定感を見せた。5回にトレビーノに右越え2号ソロを許して2点目を失ったものの、6回103球(ストライク68球)を投げ、5奪三振2四球、7安打2失点の力投。クオリティスタート(6回以上を自責3以下)を達成し、シーズン163イニングとして規定投球回(162回)に2年ぶりに到達した。
気迫を見せた田中について、地元紙「ニューヨーク・ポスト」は「ヤンキースのマサヒロ・タナカの危機は去った」と特集している。
今季はオールスターに選出された田中だが、宝刀スプリットの精度が上がらずに苦しみ、ロンドンで開催された6月29日(同30日)、敵地フェンウェイ・パークでの7月25日(同26日)と2度のレッドソックス戦で計4回18失点と大炎上。その影響もあって、防御率は現在も4.42となっている。
だが、記事ではこの日のパフォーマンスについて「敗北の中で勇敢な奮闘」と絶賛した。さらに「6月末から7月末までの間の6試合で防御率10.59を記録したような気分が滅入る状態から右腕が抜け出した根拠だということを知らしめた」と評価。一時期の泥沼のスランプは抜け切ったと分析している。
そして、田中の復調は2009年以来のワールドシリーズ制覇を目指すヤンキースにとっても朗報だという。
「タナカ、ジェームス・パクストン、ドミンゴ・ヘルマンらが中心となり、故障者リストからはルイス・セベリーノが(プレーオフに)間に合うであろう。その先発ローテーションは、素晴らしい打線と球界最高のブルペンを組み合わせることで、このフランチャイズに10年ぶりの優勝をもたらすに十分優秀だと想像できる」
ジャスティン・バーランダー、ゲリット・コール、そして、ダイヤモンドバックスから獲得したザック・グリンキーという強力右腕トリオを擁するア・リーグ西地区のライバルの先発ローテの充実ぶりを指摘しつつ、ポストシーズン通算防御率1.50という凄まじい成績を誇る田中を筆頭に、剛腕セベリーノも故障から回復中のヤンキースローテの陣容も高く評価。松井秀喜氏がワールドシリーズMVPに輝いた2009年以来の頂点も狙えると期待を寄せている。
(Full-Count編集部)