【田澤純一コラム第11回】“浪人”中は公園で練習も…「しぶといヤツだなと自分で思う」田澤純一が振り返る今季

移籍後初の3A登板は“因縁のカード” 「去年クビを言い渡されたのが…」

 8月中旬に契約するのは、ただでさえ簡単なことではありません。今年はメジャーで1試合も投げていないし、試合から離れて1か月近く経とうとしている。そんな僕と今季ばかりか来季も契約してくれたレッズ、そして契約を勝ち取ってくれた代理人には感謝の気持ちでいっぱいです。

 マイナーはメジャーよりもシーズンが短く、8月末から9月初めに終わります。レッズと契約した時点で、シーズンは残り3週間ほど。アリゾナにある球団施設でブルペンに入ったり実戦形式で投げたり、来季に向けた調整がメインで終わるかと思っていました。でも、アリゾナのルーキーリーグで1試合投げたら、まさかの3A昇格の知らせです。正直、3Aで投げられると思っていなかったので、本当にビックリしました。大急ぎで合流した3Aルイビルでは2試合投げさせてもらい、無失点という形で今季を締めくくることができました。

 ルイビルでの初登板は8月31日、敵地トレド戦でした。実は去年、タイガース傘下トレドに所属していた時、クビを言い渡されたのが、敵地でのルイビル戦。何の因果かわかりませんが(笑)、苦い思い出のカードで好投し、自分の中での印象を変えられて良かったです。

 今年のオフはいつもより長めになりますが、来年レッズでメジャー昇格し、チームの役に立てるように、じっくりと準備を進めていこうと思います。僕がやること、できることは変わりませんから。

 2009年にレッドソックスと契約して以来、野球においても人生においても、ここまで本当にいろいろな経験を積ませてもらっています。肘の手術をして、先発もやり、中継ぎもやり、世界一になり、クビになり。しぶといヤツだな、と自分でも思います(笑)。しなくてもいい経験もありましたが、引き出しは確実に増えているはずです。

 今年を終えて思うのは、僕が今でも野球を続けていられるのは、自分の力ではなく、周りでいろいろな人たちが動いて、サポートしてくれるおかげだということ。本当にありがとうございます。応援して下さる皆さんの気持ちに応えるためにも、来年またメジャーのマウンドに上がれるように、オフにしっかりトレーニングを積みます!

(田澤純一 / Junichi Tazawa)

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