伊藤智、藤川、石井、井川…元女房役が明かす、球を受けてきた中で最高の投手とは?
伊藤のスライダーは特別だと語る「あれだけスピードが出ててあれだけ曲がる」
野口氏は、ヤクルト時代にバッテリーを組んだ伊藤智仁元投手(現楽天投手コーチ)のスライダーは特に凄かったと回顧する。ルーキーイヤーの1993年に前半戦だけで、7勝2敗、防御率0.91の大活躍。7月4日に離脱してシーズン終了まで戻らなかったが、新人王を獲得した。
「エグいですね、エグい。味方で良かったと思いました。捕るのは捕れるけど、打てませんよ、あんなの。あれだけスライダーにスピードが出ててあれだけ曲がるんですよ。右バッターの体に向かって出て、アウトローに決まるんですよ。それで135キロとか出てるんですよ。打てますかそんなの」
阪神で藤川とともに“JFK”を担ったジェフ・ウィリアムス元投手のスライダーも凄かったというが、「ただサイドスローですからね。サイドスローならいそうな感じしますよね、あれだけ曲がっても。智さんは上から投げてるわけですからね」と野口氏は笑う。やはり伊藤は特別だったという。
伊藤はその後、故障に苦しむキャリアを送ったが、その鮮烈な活躍は今でも語り継がれている。同じようにその投球を受けた捕手にも強烈な印象を残したようだ。
(Full-Count編集部)