5年ぶりリーグ優勝の巨人、原監督が作った4人の軸 坂本勇、阿部、丸、そして亀井

15年目の1番打者・37歳の亀井が一人の軸、出塁率の高い2番・坂本勇とのコンビは打線に活気と厚み

 出塁率の高い2番・坂本勇の前に亀井がいることで得点のパターンは豊富になりました。亀井が出て、坂本勇で一、三塁のケースを作ることで打線につながりが見えました。たとえ、3番、4番が凡退でも得点することができる。そんな状況を監督が作り出していたように見えます。ヒットじゃなくても得点、そして勝ちを拾える。そんな野球ができたのも、チームを託したこの4人が仕事を全うしたらからだと思います。

 本来ならば、投手でも4人の軸がほしかったところ。しかし、それができなかったことが、最後まで苦しい戦いになったことを物語っています。外国人投手が思うように序盤から機能しなかった。でも、それを打線がなんとかカバーしてくれた。投手では桜井や中川が出てきたのは来季以降にとっても大きいことです。

 起用がはまったといえる若手についてですが、原監督は毎日の練習の中で、選手のことをよーく見ています。それがつながっていると思います。私がスコアラーの時に「あいつは今、体調が悪いな」とか、反対に「調子がいいな。体調もいい」など瞬時に状態を見極めていました。それがことごとく当たって、試合で結果を出していました。

 若手を使え、使えと言いますが、柱がなければ若手は育ちません。コンディションの良くない若手を使っても機能しません。全体を見ていた原監督の視野の広さ、その期待に応えたコーチ、選手、裏方の頑張りによって5年ぶりの覇権奪回が導かれたのだと思います。

【動画】分析のプロが解説 原監督に仕えた元スコアラー・三井氏が見た巨人の機動力とキーマン

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