パ王者・西武の野球が豪快過ぎる 逆転勝利数と逆転負け数から見える各球団の特色

西武は逆転負け数もリーグ最多、手痛い敗戦をはねのけての優勝だった

 次に、今季の逆転負け数のチーム別ランキングを見ていきたい。

1位:西武 36敗
2位:オリックス 32敗
3位:ロッテ 30敗
4位:楽天 25敗
5位:ソフトバンク 24敗
6位:日本ハム 22敗

 逆転勝利数がリーグ最多だった西武は、逆転負け数でもリーグ最多に。チーム防御率はリーグ最下位で、投手陣は今季も安定感を欠いた。特に前半戦は平井克典投手と増田達至投手に負担が集中。後半戦には平良海馬投手の台頭と小川龍也投手の復調もあって持ち直したが、トータルでは手痛い逆転負けが多かった。

 オリックスはリリーフ防御率4.31とリーグ唯一の4点台で、こちらも試合の締めくくりに苦慮していた。ロッテはリリーフ防御率3.66とそこまで悪くはなかったが、8回を任せるセットアッパーが最後まで定まらなかった。逆転負け数の多さが、リーグトップのリリーフ防御率3.08を記録した楽天とのAクラス争いでも明暗を分ける形となった。

 ソフトバンクは故障者が続出する中でもブルペンは安定し、リリーフ防御率は3.28。逆転負け数はリーグで2番目に少なかった。日本ハムもリリーフ防御率3.52とまずまずで、逆転負けはリーグ最少。苦戦を強いられたシーズンにあって、投手陣は意地を見せた。

 勝利数と同様に、逆転負けがチームの全敗戦数の中でどの程度の割合を占めているのかについても紹介する。

1位:西武 36/61 59.02%
2位:オリックス 32/74 43.24%
3位:ロッテ 30/70 42.86%
4位:ソフトバンク 24/61 39.34%
5位:楽天 25/68 36.76%
6位:日本ハム 22/72 30.56%

 西武は全敗戦の6割近くが逆転負けで、チームとしての傾向が顕著に表れている。オリックスとロッテも4割以上だが、ソフトバンクも全体の負け数が少ないこともあって4割近い数字に。とりわけ夏場は酷暑もあってかリリーフ陣が不安定になる場面があり、各チームとも手痛い逆転負けを喫するケースは少なからずあった。

 そんな中で、日本ハムの数値の少なさは目を引く。今季は得点力不足に悩まされたこともあり、そもそも先制した試合が多くなかったという見方もできるかもしれないが、リードした試合の多くを勝ちに結びつけるという、投手陣の踏ん張りが見て取れる結果となった。

西武は総得点も総失点も最多、鷹は得点力不足が響く

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