戦力外で引退表明の西武大石、「早大三羽烏」の斎藤佑&福井への連絡は「まだしてない」
9年で現役生活に幕、ドラフトで6球団競合も「入る前にイメージしていた自分とかけ離れていた」
西武は3日、2010年のドラフト1位右腕・大石達也投手に戦力外通告を行った。大学時代に日本ハム・斎藤佑樹、楽天・福井優也投手とともに「早大三羽烏」と呼ばれ、鳴り物入りでプロ入りした剛腕は「もう野球を続けるつもりはない」と現役引退を表明。9年間のプロ人生に幕を下ろすことになった。
大石は早大時代にストッパーとして活躍。150キロ超えの剛速球を武器に存在感を示し、10年のドラフト会議では横浜、楽天、広島、オリックス、阪神、西武の6球団がドラフト1位指名。抽選の結果、西武が交渉権を引き当てた。しかし、入団後は度重なる負傷にも苦しみ、16年は36試合登板で防御率1.71、17年は20試合登板で0.93と数字を残したものの、継続できなかった。
この日、大石は「入る前にイメージしていた自分とかけ離れていた。悔しい気持ちの場面が多かった」「150キロは最初期待されて入ったので『投げなきゃ』というのがあった。5、6年目が過ぎてから『出ない』と思って切り替えて、抑えられるようにとやってきた」と現役時代の複雑な胸中も吐露した。
斎藤佑、福井と共に「早大三羽烏」と騒がれ、全員がドラフト1位でプロ入り(福井は広島から指名)。30歳で開幕を迎えた今年、斎藤佑は11試合登板で0勝2敗、防御率4.71、福井は8試合登板で3勝1敗、防御率5.18だった一方、大石は2試合の登板にとどまり、防御率15.43に終わった。
2人への連絡は「まだしていない」という大石は「向こうも忙しいだろうし……。2人とも立場も立場だし、年齢もある。僕が言わなくても、思っていることはあるんじゃないでしょうか」と話した。戦力外という形で、3人の中で最初にユニホームを脱ぐ形となった右腕には、球団がポストを用意しており「詳しくはGMに聞いて、前向きに、受けようと思っています」と西武に残る意向。新たな一歩を踏み出すことになる。
(安藤かなみ / Kanami Ando)