田中将大「投げる球に自信」復活スプリットでツ軍“超重量打線”封じだ
スプリットの被打率.263、長打率.417は自己最悪も「自信を持って今投げられています」
■ヤンキース – ツインズ(地区シリーズ・日本時間6日・ニューヨーク)
ヤンキースの田中将大投手が5日(日本時間6日、試合開始6時7分)、本拠地で行われるツインズとの地区シリーズ第2戦で先発する。今季シーズン本塁打記録を更新する307本塁打を記録したツインズ打線へ、復活したスプリットを武器に勝負に挑む。
登板前日の会見。田中は自身初の世界一へ向けた“初陣”へ向け、自信に満ちた表情で切り出した。
「自分の投げるボールに自信を持って、自分らしく投球ができれば抑えるために必要なことは必然と出来ていくと思う。そこをしっかりやっていけるかどうかが大事なんじゃないかというふうに思います」
シーズン中はスプリットの精度に悩まされた。 MLB公式のデータサイト「ベースボール・サバント」によると、今季のスプリットの被打率.263、長打率.417はメジャー移籍後ワースト。スプリットでの勝負を避けてきたが、今季最後の先発マウンドとなった19日の本拠地エンゼルス戦では7回6奪三振のうち3つをスプリットで。7回1死一塁ではシモンズをスプリットで三ゴロ併殺打に仕留めるなど威力を取り戻した。
「(スプリットの復調へ)あらゆることに取り組みました。それでもなかなか答えが見つからなくて、今年は今までにないくらい、そこに時間がかかってしまいましたけど、色々とやはりメカニックだったり、グリップだったり、色々とトライしていく中で、また答えを見つけ出せた。たくさんトライしたから答えにつながったと思っている」
「自信を持って、今スプリットを投げられています。スプリットがない時期はスプリットを選択するだろうところでも他のボールで勝負しないといけなかったり。いろいろなボールを使ってというか、本当に全てを使いながら抑えていくという作業が必要だったので。自分にとっては、それもいい経験になったと思います」
この日の会見で口にした言葉には復調したスプリットへの自信をのぞかせた。
ツインズ戦では今季の登板はなかったが、通算5戦5勝、防御率2.27と相性の良さは抜群。過去5度のポストシーズンで3勝2敗、防御率1.50と大舞台で好成績を残している。10月の強さについては「自分自身深く考えていないです。自分が自分でいることが一番成功するためには必要なんじゃないかなと思います」と言い聞かせるように話した。
この日はキャッチボール、ショートダッシュ、ブルペンでのシャドーピッチングで最終調整。第1戦前の出場選手紹介では大きな声援を送られた。会見では「いよいよ明日投げる、というところはありますけど、まだ1戦目が始まる前。今日ゲーム前のフィールドへの呼び込みだったり、球場の盛り上がりを見て、一気に自分の中でも『さぁ行くぞ』となってくると思う」と話していたが、準備は整った。本拠地の熱狂的なファンの前で、気力十分でツインズの“超重量打線”に挑んでいく。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)