巨人、阪神らがドラフト最上位候補に 東海大・海野隆司捕手の魅力とは?
大学NO1捕手の呼び声が高い ポイントは「送球」「メンタル」「謙虚さ」
今年も「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(10月17日)が近づき、各球団はスカウト会議で、選手の絞り込み作業に入ってきた。巨人は4日、指名候補を約60人に絞り、大船渡の佐々木朗希投手、星稜・奥川恭伸投手らに続いて、次の候補として東海大の海野隆司捕手(岡山・関西)の名前を挙げた。優先順位は投手だが、巨人だけでなく阪神や、捕手が欲しい他の複数球団も外れ1位候補に挙げるなど、ここに来て注目が集まっている。
高校は岡山の名門、関西出身。高校2年の夏に甲子園に出場したが、2回戦で富山商(富山)に敗れた。守備では盗塁を刺すなど、肩の強さを見せた。進学先の東海大は入学してから首都大学リーグで4季連続、優勝を逃していたが、正捕手となった3年春は5季ぶりの優勝。決して、打撃は得意ではなかったが、リードが安定するとその才能も開花し、リーグ首位打者、春と秋でベストナインに輝いた。
海野の魅力は何といってもスローイング。ソフトバンクの“甲斐キャノン”こと、甲斐拓也捕手の二塁送球は速い時で1.7秒台と言われている。メジャーを見渡しても1.8秒台でも相当、速い部類に入るが、海野も1.7~1.8秒を記録する。肩が強いと評価されているが「自分では強いとは思っていないんです。どちらかというと正確性とステップを意識して練習してきました」。スカウトの高い評価にも「自分がですか……?」と至って、謙虚な姿勢を貫く。自分を見つめる冷静な目も、広い視野も大きな武器なのかもしれない。
また、2年続けて、大学日本代表「侍ジャパン」に選ばれ、今夏の日米大学野球では正捕手として、優勝に貢献。明大・森下暢仁投手や早大の早川隆久投手ら好投手をリードした。試合開始ギリギリまで投手と話をする姿が印象的だった。8月26日の高校日本代表との壮行試合(神宮)では満員のファンが見守る中、左翼席へ本塁打。大舞台でも力を発揮できるメンタルも備える。東海大はすでに最後の首都大学、秋のリーグ戦は4季連続73度目の優勝を決めている。海野は4番としてチームを引っ張り、残すは関東選手権と明治神宮大会。正捕手になってからすべてリーグ優勝と、勝てる捕手としての能力にも注目だ。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)