なぜサモア代表がヤフオクDに? 偶然が生んだ初の野球観戦、ホークスの“おもてなし”
日本戦に途中出場していたアロエミレ選手はホークスへの感謝を自身のツイッターに投稿
そこには、この日の仕事を終えたソフトバンクの職員たちも訪れていた。このうちの1人がラグビーに造詣が深く、サモア代表の選手たちに気付いた。彼らに声をかけると、この「HUB」がヤフオクドーム内を見渡せることもあり、選手たちが「野球を見てみたい」と口にした。
前日に日本代表と激戦を繰り広げていたサモア代表。遠く離れた日本の地に来た彼らに喜んでもらいたい、日本のことを知ってもらいたい、日本のことを好きになって帰ってもらいたいーー。そう考えたソフトバンクの職員たちはサモア代表を、急遽、翌日の第3戦に招待することにした。
SNSで連絡を取り合い観戦が実現。記念にと「鷹の祭典2019」用のユニホームも準備しプレゼントした。サモア代表の選手、家族らは大喜び。試合を楽しむだけでなく、イニング間に行われるダンスや、日本のプロ野球では恒例の7回のジェット風船飛ばしなども体験した。さらに、ソフトバンク側の粋な計らいで、試合後にはヤフオクドームのグラウンドに降りる経験もした。
日本戦にLOで出場していたピウラ・ファアサレレ選手は「野球を見るのは初めてだよ。球場の雰囲気は最高! 楽しかった」と笑顔。さらに、日本戦で途中出場していたポール・アロエミレ選手は自身のツイッターで「初めての野球体験はとてもクールだったよ。チケットと忘れられない経験をありがとう、ソフトバンクホークス」とツイートし、試合観戦の様子で動画でアップしていた。
日本に敗れ、予選敗退が決定したサモア代表だが、この日の体験は決して忘れられないものになったはずだろう。ソフトバンクホークスが彼らに与えた“おもてなし”の心。きっと、この体験も1つのキッカケとして、日本のことを好きになって母国に戻ってくれることだろう。