首位打者の西武森が驚異の打率10割をマーク カウント3-0で好成績を残したパ打者は?
BB%のリーグ平均値は.089、BB/Kのリーグ平均値は.456
BB%のリーグ平均値は.089、BB/Kのリーグ平均値は.456となっている。BB%では10名中8名がリーグ平均を上回る数値を記録しており、下回ったうちの1人である渡邉も.088と、リーグ平均とはほぼ差がない。各選手が、一定以上の選球眼と自制心を持ち合わせていることがうかがえる。おおむね、球を見極めて冷静なバッティングをする選手が大半を占めており、積極的なスタイルが持ち味の大田選手は、この中ではむしろ例外的な存在となっている。
BB/Kにおいては、大田と渡邉に加えて、レアード、中村、ウィーラーの3人もリーグ平均を下回っていた。それでも、大田を除けばその数値は.400台にとどまっており、それ以外の5選手はリーグ平均を上回る数値を記録。BB%ほど極端な結果ではないにせよ、こちらの数値でも好球必打の傾向が強い選手が半数以上を占めていた。
そもそも、3ボール0ストライクという状況を作れている時点で、打者としてはある程度冷静に球を見られているのは間違いないところ。それに加えて、いかに甘い球が来やすいとはいえ、その1球を確実に仕留める技術も必要になってくる。積極的な姿勢よりも好球必打の精神が見て取れる2つの指標が示した結果は、その意味でも納得のいくものと言えるかもしれない。
四球による出塁は、得てして投手のメンタル面にも影響を与えがちだ。それゆえ、四球の可能性が高い状況から凡退すれば相手を助けることにもつながってしまう。3-0からのバッティングにはそのような危険性も伴うだけに、「待て」のサインが出ずに自由に打たせてもらえるかどうかは、首脳陣の考え方によっても大きく変わってくる。
大きなリスクが生じるからこそ、それを承知で失敗を恐れずに3ボール0ストライクから打ちに出て、しっかりと結果を残している選手の精神力と、その高い技術は称賛に値するはず。投手にとってはどんなカウントからでも気を抜くことのできない選手たちの存在には、ポストシーズン、そして来期以降においても注目していく価値があるのではないだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)