CS初戦勝利の立役者となった巨人山口 3冠右腕の“進化”が凝縮された「力感」

第1戦の先発に山口を起用した巨人・原監督【写真:Getty Images】
第1戦の先発に山口を起用した巨人・原監督【写真:Getty Images】

阪神を相手に8回途中1失点の快投、野口寿浩氏は「全部の球種を同じように投げられるようになった」

■巨人 5-2 阪神(CS・9日・東京ドーム)

 9日に開幕したクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ。セ・リーグは王者・巨人が3位・阪神に5-2で快勝し、アドバンテージを含めて2勝0敗とした。先発の山口俊投手が7回1/3を4安打1失点7奪三振3四球と快投。今シーズンは最多勝、最高勝率、最多奪三振の“投手3冠”に輝いたが、短期決戦のCSでも輝きを放った。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、昨季まで2年間はヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は「この試合は山口が良すぎた。今年すごく良くなった部分がそのまま出たし、いいピッチャーになったなという感じですね」と横浜時代にチームメートだった右腕を絶賛。いったい、何が変わったのか。

 野口氏が今年の山口の投球のポイントとして挙げたのは「力感」。以前との“違い”が見える部分だという。

「何でもかんでも力任せに投げていた頃と違う。ちょっとした力感というか、(力を)抑えながら投げることができることによって、真っ直ぐ、変化球の腕の振りが変わらなくなった。全部の球種を同じように投げられるようになった。それが非常に大きいことですね。力み倒して『エイヤー』と投げるよりも、あのぐらいの力感でリリースで最後に力が爆発しているくらいのほうが、球のキレは絶対に生まれると思います。以前は、どちらかというと力み倒して投げるタイプだった。それが一切消えている。

 軽く投げているように見えますが、それでも球が『ビュン』と行っている。元々持っている体の強さはある投手なので、そういうピッチャーがピッチングのコツみたいなものを覚えたら鬼に金棒。今年みたいなこういういい成績をあげるのは当たり前。それがそのまま出た感じですね」

力感がないことで「バッターにとってもタイミングを取りづらい」

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