「パワプロ」「プロスピ」制作秘話 「サクセスモード」は「ときメモ」から誕生!?
「パワプロ」があったのに「プロスピ」が誕生したのはなぜ?
――パワプロくんのフォルムは動きの滑らかさを求めた結果なのですね。ハードが進化しても、パワプロくんは変わらなかった。
山「パワプロくんはああいう見た目ではありますが、格好いい野球シーン(の再現)とかを目指していたので、特にリアル系じゃないとダメだという考えはなかったですね」
森「野球ゲームの中で選手を出すと小さく表現されてしまうんですけど、パワプロくんは頭が大きく、手も丸いので、動きが割と大袈裟に、どう動いているか分かりやすいのです。野球のリアルな動きを伝えやすいところの一部だったかな、と。想像しやすいというか」
――開発する上で大変なことはなんでしょう?
山「大変なことしかないですね(苦笑い)」
森「パワプロは毎年のように出ているので、前作からどれだけバージョンアップ、アップグレードされているのかが大事になります。新作に対する期待感もあるので、各モードの遊びの中でどう表現するかというのは悩ましいところですね。今作で言えば、Switch版で初のパワプロということで、遊びやすく分かりやすくしたり、複数人で遊べたり、気軽に遊べるような要素と、これまでの遊びを上手く融合させるところに頭を使いましたね」
――2004年にプロスピの第一弾が発売されました。パワプロはヒットする中で、同じ野球ゲームを敢えて作ったのはなぜでしょう?
山「僕らとしても元々、リアルなプロ野球ゲームというものは目指していたところではあります。ハードの進化とともにリアルな表現ができるようなレベルにまで来たということで、改めてチャレンジしようということになりました。2001年に『プロ野球JAPAN2001』というゲームがプレイステーション2で出まして、それがリアル野球ゲームの復活、今の『プロスピ』シリーズの前身になります。そこから2004年にプロスピシリーズが始まり、今年でちょうど15周年になりました」
――リアルな野球ゲームで大変になるのはどんなところでしょう?
森「実は、パワプロの2頭身の補完とは全くの逆のことが起こるんです」
山「パワプロくんの場合は、『可愛いね、パワプロくん』となるんですけど、プロスピの場合は『なんでリアルな人間がこんな動きをするんだよ』という方向に行きがちになります。より選手の動き、球場の見た目などは再現度の高さを求められます。同じ野球ゲームですが、求めている方向性はまるで違います」