MLB審判が元選手を訴える 賄賂受け取り発言は事実無根「仕事に支障がでた」
元球宴捕手が「(審判は)守護神のシボレーを借りていた」とポッドキャストで暴露
メジャーリーグの名物審判であるジョー・ウエスト氏が、元球宴捕手のポール・ロデューカ氏を名誉棄損で訴えた。今年5月にロデューカ氏は、ウエスト氏が過去に賄賂を受け取っていたと発言。それに対してウエスト氏は、事実無根だとして法的措置に出た。「USAトゥデイ」が伝えている。
ウエスト氏は1976年にデビューし、2007年には史上3人目となる通算5000試合を裁いた名物審判だ。記事では、ドジャースなどで活躍し、球宴に4度選出されたロデューカ氏は、今年5月にポッドキャストに出演した際に、ウエスト氏に対して衝撃発言を繰り広げたとしている。
ロデューカ氏は、2006、07年にメッツに所属していたときのある試合で、守護神のビリー・ワグナーが、ストライクゾーンを甘くしてもらうために、ウエスト氏に1957年のシボレーを貸したと発言。「ジョーはアンティークの車が好きなので、彼がこの街に来たときは、いつも僕の1957年のシボレーを貸している。彼はそれを運転できるから、ストライクゾーンが大きくなるんだ」とワグナーが話したのを覚えていると語ったという。
訴状によると、ワグナーがウエスト氏に車を貸したことはなく、そのような試合もなかったという。「実際は、ロデューカとワグナーがメッツで一緒にプレーした2006、07年に、ジョー・ウエストが主審を務めたのはフィリーズとの1試合だけで、そのときビリー・ワグナーは全く投球しておらず、その試合は三振ではなく本塁打で終わった」と事実無根だとしている。
その他にもロデューカ氏は、キャリアで15回ぐらい退場となったうちの「8回か9回」はウエスト氏が審判を務めた試合だったなどと批判を展開。訴状では、それについても著しく誇張された表現で「実際は、ロデューカが退場させられたのは、キャリアの中で8回で、そのうちジョー・ウエストによって退場させられたのは1回だけである」としている。
またウエスト氏は、ロデューカ氏の発言でダメージを受けたという。訴状によると「これらの発言で、ウエスト氏のインテグリティ(誠実さ)、正直さ、審判としての資質が非難され、メジャーリーグの審判員としての仕事に支障がでた」としている。
ウエスト氏は過去にエイドリアン・ベルトレに対して口うるさいと発言して3試合出場停止になるなど、たびたび話題を提供している。ロデューカ氏も過去のドーピング疑惑を認めて謝罪するなど、こちらもお騒がせ男だ。この一件がどう決着するのか注目が集まる。
(Full-Count編集部)