日ハムのドラ1河野135球の熱投も実らず JFE西日本が延長サヨナラで初戦敗退
日本製鉄鹿島相手に7回1/3を1失点で降板「プロでの活躍が一番の恩返し」
「第45回社会人野球日本選手権大会」第2日は26日、京セラドームで行われ、第1試合で日本ハムにドラフト1位指名されたJFE西日本の河野竜生投手が先発し、135球を投げ、7回1/3を7安打5奪三3四球1失点で降板した。試合は日本製鉄鹿島に延長12回タイブレークの末にサヨナラ負けを喫した。
「調子はベストではなかったが、悪くはなかった。社会人最後の大会だという思いで投げた」と振り返った河野は「(捕手の)浦さんがうまくリードしてくれて粘り強く投げることができたが、チームを勝利に導くことができなかった」と悔しそうな表情を浮かべた。
17日のドラフト会議で日本ハムから1位指名を受けた河野は今大会最も注目されている投手の1人。「バックを信じて投げた」と中盤まではカウントを悪くしながらも粘りの投球を見せていたが、8回に崩れた。先頭・藤本を中前安打で出塁させると、2者連続四球を与えるなど制球がバラつき、130球を超えたところで山下監督は継投を選択。河野は「限界に近かった。厳しい投球になってしまったが、ここまで長く投げさせてくれた監督、スタッフさんに感謝したい」と汗を拭った。
チームは日本製鉄鹿島の先発・玉置を攻略できず、延長12回タイブレークの末に1-2で敗戦。1回戦で姿を消した。鳴門高から高卒で入社し3年間を過ごした河野はこの大会を最後にプロの世界へ進むが、「若い自分を1年目から(投手陣の)軸として投げさせてくれた。結果が出ないことも多かったが、普段の練習からアドバイスをくれたスタッフさん、監督さんには感謝しかありません。プロの世界でもっとレベルアップした姿を監督さんに見せたい」と周囲に感謝した。
社会人での3年間を振り返り、「会社の人や地域の人の応援は、大学に行っていれば味わえなかったと思う」と感慨深く話した河野。「北海道は遠いですけど、福山(JFE西日本の本拠地)の皆さんに活躍を見せたい。それが一番の恩返しになると思う」と北の大地での躍動を誓っていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)