ホンダ鈴鹿、楽天ドラ6瀧中が165球も延長11回敗れる “楽天対決”勝利も「申し訳ない」
楽天からドラフト1位指名の大阪ガス・小深田をノーヒットに抑えるもチームは敗戦
「第45回社会人野球日本選手権大会」第2日目が26日、京セラドームで行われた。第3試合ではホンダ鈴鹿・瀧中暸太投手が先発し、延長11回まで165球を投じる熱投を見せたが大阪ガスに0-1でサヨナラ負け。17日のドラフト会議で楽天から6位指名を受けている瀧中は「悔しいし、申し訳ない。球数うんぬんと言っている場合ではなかった」と社会人野球最後の大会となったこの日の敗戦の責任を背負いこんだ。
打球が右翼手の伸ばしたグラブの先に落ちると、瀧中はがっくりと膝に手をつき、うつむいたまましばらく顔を上げることができなかった。互いに無得点のまま迎えた延長11回、2死一、二塁から大阪ガス・古川に投じたこの日165球目の直球だった。
ベンチ裏に引き上げながら大粒の涙を流していた瀧中は「『気持ちが切れた』で打たれていい世界ではない。悔いのないボールをと思ったが、野手のいないところに落ちてしまった」と唇を噛んだ。打線は大阪ガスの先発・阪本の前にわずか3安打と熱投した瀧中を援護できず。丸井監督は「コントロールがよかった。低めにカットを投げ込んでくるし、キレもすごくよかった。なかなか打てなかった」と阪本の投球に脱帽していた。
同じく楽天から1位指名されている小深田を5打数無安打に封じたが、「僕は味方にも打たれたくないんです。紅白戦でも打たれたくない」と負けず嫌いな一面をのぞかせた。この大会を最後にプロの世界に飛び込むが「もっとうまくなれると思うし、『瀧中なら負けられない』と思ってもらえるようなもっと信頼される投手になりたい」と前を向いた。
「田中将大さんのように、野手が『負けを付けてはいけない』と思う投手は人間性や品格も伴っていると思う。僕は未熟ですが、少しでも近づけるように」と2013年楽天在籍時に24連勝を達成した田中将大(ヤンキース)のような”負けない投手”を目標に掲げていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)