大阪ガス、阪神ドラ1寄贈の秘密兵器で走塁意識を徹底 その名も「チカモトクン」
終盤一気に逆転して5-4で勝利、阪神ドラ1近本が寄贈した秘密兵器とは…
「第45回社会人野球選手権大会」第6日目が30日、京セラドームで行われた。都市対抗優勝のJFE東日本と大阪ガスで行われた2回戦は、大阪ガスが4点ビハインドから終盤一気に逆転して5-4で勝利し、8強入りを果たした。
相手バッテリーを機動力で揺さぶった。7回、8回の2イニングで3つの盗塁を決めると、9回には1死一、二塁から重盗を仕掛ける積極性を見せた大阪ガス。1点を追いかける8回、先頭の青柳は四球で出塁すると、続く小深田の打席でスタートを切り、二塁に勢いよく頭から滑り込んだ。さらに小深田の一ゴロの間にすかさず三塁に進んだ青柳は、1死から峰下が放った左犠飛の間に生還。同点のホームを踏んだ。前の塁を狙う積極走塁で試合を振り出しに戻し、9回には古川が右越え勝ち越しソロ。ついに試合をひっくり返した。
チームに徹底された走塁意識の高さの裏には、「チカモトクン」と呼ばれる秘密兵器がある。チカモトとはもちろん、大阪ガスOBの近本光司(阪神)を指す。この秘密兵器は主に陸上競技で用いられるスピード測定器具で、近本がチームに寄贈したものだ。これを練習から活用し、リード幅を一定に保つ意識などを徹底。そこに相手バッテリーの反応などを加味し、もっとも効率的な走塁を計算して実戦に活かしているという。小深田は「走れるときは走る。チームの伝統でやっています」と胸を張った。
JFE東日本には、今夏の都市対抗初戦で延長12回タイブレークの末に逆転サヨナラ負けを喫している大阪ガス。この日は応援に駆け付けた地元大阪の大応援団の前で、持ち前の超積極野球を披露し、雪辱を果たして見せた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)