ファンに送る選手生活最後の言葉 引退試合での感動スピーチを振り返る
松井稼氏「ファンの皆様に『ありがとう』と言いたい」、福浦氏「幸せな野球人生でした」
○松井稼頭央氏(西武)
日米通算2705安打を放って数々のタイトルも獲得し、「史上最高のスイッチヒッター」の呼び声も高い松井氏。25年と長きにわたったプロ生活は「自分一人の力ではなかった」とし、これまでめぐり合ってきた指導者やチームメイトに感謝した。かつて活躍したライオンズに15年ぶりに復帰し、その年にチームは10年ぶりのリーグ制覇。「この最後の1年が、最高の1年になりました」と、あらためて喜びと謝意を口にしていた。
古巣のファンには「オープン戦の時の歓声、代走で出た時の歓声、シーズン最後の打席での歓声。これからも忘れることはありません」「ファンの皆様から、『ありがとう』『お疲れ様』『これからも頑張ってください』。そういう言葉をいただきました。逆に、僕が皆様に『ありがとう』と言いたいです。このユニホームを着てファンの皆さんの前で引退ができる。本当に、最高の野球人生だったと思います」と感謝し、最後はライオンズファンに加えて米国と東北で応援してくれたファンにも謝意を述べてスピーチを締めくくった。
○攝津正氏(ソフトバンク)
中継ぎとして新人王と2年連続最優秀中継ぎ、先発としては最多勝、最高勝率、沢村賞。攝津氏は27歳と遅いプロ入りながら抜群の成績を残し、ホークスのエースに君臨した。「小さいころから夢見たプロ野球の世界で10年間プレーできたのは、これまで支えてくれた監督、コーチをはじめ、球団スタッフ、家族、そして何よりも、いつも暖かく声援を送って頂いたファンの皆様のおかげだと思っております」とあらためて周囲に感謝した。
引退表明がレギュラーシーズン終了後となったため、引退セレモニーの場はオープン戦に。「これからはまたホークスに呼んでいただけるよう頑張りたいと思います」と語ると、現役時代の応援歌を背にセレモニアルピッチを行った。最後の一球は現役時代の同僚でもある高谷のミットに収まり、ファンからの暖かい拍手を受けながら、かつての沢村賞右腕はヤフオクドームのマウンドに別れを告げた。
○城所龍磨氏(ソフトバンク)
城所氏は俊足と強肩を武器にホークス一筋で活躍し、2016年には交流戦MVPも受賞。代走や守備固めを中心に幅広い活躍を見せたことから、「キドコロ待機中」のフレーズでも親しまれた。先述の攝津氏と同様、引退が11月末となったことからオープン戦で引退セレモニーが行われ、「待機してばかりしていた15年間でしたが、ファンの皆さんの熱い声援のお陰で15年間プレーできました。本当にありがとうございました」と、あらためてファンに感謝した。
両親、夫人、子供にも感謝の言葉を伝え、今後については「野球界に恩返しするために、野球の普及、青少年の健全育成のため、夢に向かって頑張っていきたいと思います」と語り、「これからも福岡ソフトバンクホークスを一緒に応援していきましょう。そして、これからも城所龍磨を応援してください。本日はありがとうございました」と締めくくった。セレモニアルピッチでは福田とバッテリーを組んで柳田選手を三振に取ると、最後は持ち前の強肩で外野席に大遠投。ファンにボールをプレゼントして本拠地を沸かせた。