慣れないクセ球に過酷な移動―DeNA関根が定位置奪取へメキシコ奮闘中

「メキシコは練習方法も違う。こういう練習もあるんだなと分かった」

 日本の投手とは違い、メキシコのウインターリーグに参加している投手は直球もクセのある球がほとんど。先発投手は5?6回で降板することが多く、また打者の左右によって次々と投手を送り込んでくる。その中にはメキシコでプレーしたことがないアメリカ人投手もいる。そのため、特に試合の後半は相手投手の持ち球すら分からない中で打席に入らなければならないことも珍しくない。

 だが、そんな中でも関根は結果を残そうと必死だ。同リーグでは11月20日までの前半戦は外国人枠は8人。11月21日から12月30日まで行われる後半戦は6人に減らされる。そのため、前半戦で結果を残さなければ後半戦も試合に出られる保証はないからだ。

 メキシコのウインターリーグは日本のプロ野球よりも移動が大変だ。今回の遠征は、10月31日のナイター後、夜行バスで6時間かけて隣の州の空港に移動し、早朝発の飛行機に2時間かけ、試合会場のモンテレイ入り。チーム宿舎に入ったのは、前夜、本拠地の球場を出発してから12時間後だった。

 そんな移動疲れもある中でも、関根は連日早出練習を繰り返し、打撃を向上させようと地道に努力を重ねている。ここまで打率.162。それでも「メキシコは練習方法も違うし、打撃練習でも打撃投手の投げる間が速く、距離も近い。こういう練習もあるんだなということが分かったし、自分のその時その時の状態で、この練習をすればいいという引き出しをどんどん増やしていきたい」と、とことん前向きだ。

「すぐに結果が出てもそれは一時的なもの。すぐに何かができるようになることはない。(来年1月の)自主トレでやりたいこと、やるべきことは何か、探しながらやっています」

 来年プロ7年目。DeNAは今オフ、打線の主軸だった筒香嘉智外野手のポスティングによるメジャー移籍を容認しており、移籍が実現すれば同じ外野手の関根にとってはレギュラー獲りの絶好のチャンスとなる。それだけに、メキシコでも1日も無駄にできない思いが強い。外野のポジションを争うライバルは多いが、関根は遠くメキシコの地から、定位置を虎視眈々と狙っている。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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