FA宣言の楽天美馬はNPB上位の安定した先発投手 データ上はどの球団が最適?
ヤクルトよりも中日で美馬加入の効果は大きくなる
次に中日、ヤクルトに美馬が加入した場合を想定する。ともに以前の記事で先発を弱点としたチームだが、状況は異なる。中日のローテーションを見ると、FIPが濃い赤になっている投手が複数人見られる。彼らは平均以上の投球の質を見せていたということだ。
しかし投球回を見てみると、大野雄大、柳裕也、エンニー・ロメロ以外で50イニング以上をクリアした投手は65イニングの山井大介のみ。梅津晃大や小笠原慎之介は優れた投球を見せたが、それほど多くのイニングを投げられていない。彼らがこの成績のまま順調にイニングを伸ばせば問題はないが、さすがにそれは楽観的すぎるだろう。さきほどの西武と比べると、平均よりやや劣るレベルの先発が少なく、表内の8番手以降でガクッとレベルが落ちるのが特徴的だ。これらの投手が美馬に替わることによるレベルアップという意味では最も大きな効果が期待できる。
ヤクルトも先発陣が課題であるが、西武に比べると平均レベルの投手を多く保有できており、中日に比べると8番手以降の投手でも、ローテーション下位と大差ないレベルで投球ができている。西武や中日に比べると問題は小さいように見える。