前田健太独占インタ、悔しい中継ぎ配置転換も手応え「選手としての質上がっている」
今季は先発26登板で10勝をマーク 入団から4年連続でPO進出
ドジャースの前田健太投手がメジャー4年目のシーズンを振り返った。Full-Countライター、元ニッポン放送アナウンサーの新保友映のインタビューに応じ、チーム方針で最終的に中継ぎに回った悔しさを吐露。来季、年間通して先発するためにすでに自己分析し、悲願のワールドシリーズ制覇を誓った。
前田は6日に日本に一時帰国し、その足で、シーズンオフに毎年トレーニングを行う東京・四ツ谷のIWA ACADEMYで取材に応じた。今季は地区シリーズで敗退し、ワールドシリーズ進出の夢は叶わなかった。シーズンは先発で26登板し、10勝8敗3セーブ、防御率は4.04。シーズンを自己採点してもらった。
「振り返ると50~60点です」
ドジャースに入団した2016年から4年連続でプレーオフに進出したが、今年も最後に中継ぎに配置転換となった悔しさから、厳しめの自己採点となった。
ポストシーズンでは救援4試合で4回2/3を無失点。メジャーリーグが選ぶ地区シリーズのベストナインに救援投手部門で選ばれる活躍を見せた。本来の職である先発だけではなく、中継ぎとしても成績を残していることに、適応できる能力のすごさを感じるが、本人は「適応はしていないです」と話す。
先発に対してのこだわりは、やはり捨てられない。「打たれたくない、絶対に抑えてやる」という配置転換の悔しさが力となって、気持ちを奮い立たせてくれる。それが好結果につながっているのだという。
悔しさとともに、先発としての来季に向けた課題も口にした。
「左打者に対してどういうボールを投げるのか、どういう風に抑えていくのか、その課題が改善できれば先発として1年間投げられると思います」
右打者に対しての被打率は、250打席以上、打者と対戦した投手の中ではメジャーリーグ1位の.159。大きな手応えを感じている一方、左打者には.247。悪い数字ではないが、そこを改善していくために、来季への準備を進めていく。
成績を残したのは投手としてだけではない。今季は打者としても好調で12安打を放ち、打率は.250、犠打数は13とメジャートップを記録。バッティングは大好き、といつも話すが、今季の好調の要因は事前の研究だった。
「これまではその日の試合で相手の球速を見て打席に入る程度だった。しかし、今年は相手のストレートの速さはどのくらいで、変化球が何を持っているのかというのを頭に入れて打席に入ることで結果につながりました」
来季はシルバースラッガー賞を取りたいという目標も改めて大きくした。様々な数字が示すように本人自身、成長を実感している。
「どうしても数字というのはだいたい落ちていくものだと思うけれど、バッターのレベルが上がってきていると言われる中で、成績や内容を良くできているというのは自信になる部分。投げているボール自体も良くなってきているという実感もあります。レベルの高い場所で野球ができているので、そのレベルに対応するために戦うことで自分を成長させられているというのを1年1年実感しているし、メジャーでの4年間で、選手としての質も、全体的に上がっていると思います」
4年間のメジャーでの経験と成長の中で、ワールドチャンピオンになりたいという夢はますます膨らむ。
「ワールドシリーズを経験してあと一歩というところまで届いたけど、まだチャンピオンリングは手にできていない。せっかくメジャーリーグでプレーできているのでチャンスがあるうちにリングが欲しいです」
さらなる成長を目指し、このシーズンオフも早々に積極的にトレーニングに励んでいく計画もあるという。来季の進化も楽しみだ。
(新保友映 / Tomoe Shinbo)