井口、松井稼、内川、福浦…パを彩った大打者の2000安打達成の瞬間を振り返る
球界屈指のヒットメーカー内川、残り500安打に9年の月日を要した福浦
○内川聖一(2018年5月9日)
内川聖一はNPB史上2人しかいない両リーグでの首位打者という快挙を達成し、2008年から7年連続で打率3割を記録。同じく2008年から9年連続で145本以上のヒットを放つなど、球界屈指の安打製造機として名をはせている。2008年に記録したシーズン打率.378は右打者としてのNPB史上最高の数字である。
2018年シーズン開幕前の通算安打数は1975本。開幕直後の記録達成が確実視されていたが、4月終了時点で19安打、打率.232と、当代随一のヒットメーカーも思うように安打を記録できずに苦しんだ。5月5日に大記録まで残り1本としてからも2試合足踏みが続いたが、5月9日の試合でついにその時が訪れた。
メットライフドームで行われたこの一戦でも、内川は3打席を終えて無安打。しかし、8回に迎えた第4打席、左腕の武隈祥太投手が投じた外角球を流し打って逆方向へ。これぞ内川選手という鮮やかなバッティングで節目の一打を放ち、生みの苦しみを乗り越えて打者としてのマイルストーンへと到達した。
○福浦和也(2018年9月22日)
ロッテ一筋26年の現役生活を送った福浦和也にとって、ケガを乗り越えて達成した通算2000安打という記録はまさに金字塔だ。1993年ドラフト会議での最終指名となる7位でプロ入りし、1年目に投手から野手に転向。そこから2001年の首位打者、ポストシーズンを勝ち上がっての2度の日本一、相次ぐケガとの戦いといった紆余曲折の日々を経て、球団史にその名を残すレジェンドへと成長を遂げていった。
2012年から2017年までの年間安打数は45本、32本、26本、47本、20本、30本。2009年5月に33歳で通算1500安打に到達するも、そこからの500本に約9年の月日を要した。ケガやコンディションの影響もあって出場機会も限られながら、2000安打達成までの険しい道のりを少しずつ、しかし着実に進んでいった。大記録まで残り38本で迎えた2018年にも1本1本ヒットを積み重ねていき、9月のホーム8連戦を迎えた段階で残り4本に迫っていた。
多くの人が本拠地での達成を期待する中、最初の4試合で14打数1安打となかなか安打は出ず。しかし、9月19日と21日に2試合連続で1安打ずつを記録して王手をかけ、迎えた22日の西武戦の第4打席に、地元・千葉のファンの前で待望の一打を放った。球場全体が歓喜に包まれる中で、福浦は感謝の気持ちを込め、各方向のスタンドに対して深々と頭を下げていた。
「パーソル パ・リーグTV」では、過去の大記録達成の瞬間をオフシーズンに紹介予定。11月8日に稲葉篤紀氏、11月9日に小久保裕紀氏、11月10日に内川聖一選手の2000安打達成試合を、それぞれ配信する予定だ。球史に名を残す偉大な打者が金字塔に到達した瞬間を、この機会に改めてご覧になってみてはいかがだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)