元近鉄・金村氏が語る昭和のプロ野球豪快伝説 「1人私服でセカンドバッグ…」

「NOMOベースボールクラブ」の理事として野茂氏とは毎年必ず再会

 もう1人、毎年必ず会う大好きな後輩がいる。それがメジャーでも活躍した野茂英雄氏だ。野茂氏が代表理事を務める「NOMOベースボールクラブ」に金村氏も理事として参加。「野茂の方が年は下なんですけど、ずっと先輩を立ててくれるんでね」と、うれしそうに目尻を下げる。

「僕は野球を辞めた後、なかなか大変な時期もあったんですが、その時も野茂がいたから頑張れたというのはあります。パイオニアとして一人で海を渡ってメジャーに行って、あれだけ頑張って成績残してね。野茂はみんなの太陽であり、頑張れる源でもありました」

 毎年、NOMOベースボールクリニックとNOMO CUPが開催される時期になると、かつて近鉄でともに戦った仲間が集合する。

「参議院議員になった石井浩郎は来れなくなりましたけど、光山(英和)、赤堀(元之)、野球を離れてトレーナーになった池上(誠一)や小池(秀郎)なんかも来てくれます。集まって飲めば、近鉄がセコかった話とか、アホほど飲んだ話とか良く出ますよね。みんな意外と記憶力がいいんですけど、都合のいいことばっかり覚えてるから、僕が全然覚えていないこともあったりしてね。そんなん言うたかな? ムチャクチャやったなぁ、みたいな(笑)」

 野球が繋いだ縁は、年月を経ても途切れない力を持っている。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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