野球に身長は関係ない? パ・リーグで奮闘する170センチ以下の“小さな巨人”たち

西武・森友哉(左)、ソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】
西武・森友哉(左)、ソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】

西武の森は170センチながら捕手として史上4人目の首位打者を獲得

 プロ野球選手に限らず、プロスポーツの選手は概ね「体格に恵まれている」というイメージを持つ人は多いだろう。実際、プロ野球選手の平均身長は平均しておよそ180センチと言われ、これは同世代の日本人男性の平均身長約171センチを優に上回っている。ソフトバンクの投打の柱、千賀滉大投手、柳田悠岐外野手がそれぞれ186センチ、187センチであることからも、「体格に恵まれている」ことはプロ野球選手として成功する要素の1つと言えそうだ。

 しかし、体格がものを言うプロ野球界においても、それを跳ねのけて決して大きいとは言えない体で結果を残してきた選手たちがいる。そこで今回は、現在パ・リーグに所属している「170センチ以下」の選手達に焦点を当て、チームごとに彼らの活躍ぶりを紹介していく。

※選手名横の()内は身長、成績は2019年のもの

○西武

野田昇吾投手(167センチ)
23試合2勝0敗2ホールド 19.2回 10奪三振、防御率3.66

 社会人野球・西濃運輸から西武に入団すると、即戦力として1年目から22試合に登板。翌年以降も徐々に登板機会を増やし、昨季は58試合で19ホールドを挙げて優勝に貢献した。今季はファームでの調整が長くなったが、8月に1軍復帰すると、優勝争いの渦中にあるチームで貴重な左腕として役目を果たした。

森友哉捕手(170センチ)
135試合 162安打 23本塁打 105打点 打率.329 OPS.959

 ドラフト1位で入団した森は、ルーキイヤーの2014年から6本塁打を記録し、一気に名を轟かせる。その後は本職の捕手ではなく、指名打者や外野手で起用されることが多かったが、炭谷銀仁朗捕手(現・巨人)の移籍にともなって正捕手としての地位を確立。チームのパ・リーグ連覇に貢献。豪快なスイングが持ち味の打撃にも磨きがかかり、自身初の打撃タイトルとなる首位打者に輝いた。

水口大地内野手(163センチ)
20試合 2盗塁 打率.000 OPS.091

 四国アイランドリーグ・香川から入団し、育成選手としてプロ野球選手のキャリアをスタートした水口。1年目からファームで出場機会をつかむと、3年目には打率.325を記録し、支配下登録を勝ち取った。その後は守備固め、代走として一軍での地位を確立。今季は安打こそなかったものの、試合終盤の大事な局面でたびたび仕事を果たした。ちなみに、水口は現在のプロ野球界で最も身長が低い選手である。

山野辺翔内野手(170センチ)
9試合 1安打 0本塁打 1打点 打率.071 OPS.421

 2018年のドラフトで社会人野球・三菱自動車岡崎から指名されると、翌年の春季キャンプでは早速A班に抜擢され、並みいる先輩野手とともに経験を積んだ。今季、1軍での出場こそ9試合にとどまったものの、ファームでは打率.271、12本塁打、29盗塁を記録。翌年以降の飛躍に向け、期待を抱かせる活躍を見せた。

“甲斐キャノン”で日本を代表する捕手となったホークス甲斐も身長は170センチ

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