ショートスターターも登場、何人が先発に? パ先発投手と最多先発登板を振り返る

オリックスは山岡が26試合、山本は20試合と若き右腕がフル回転

○オリックス 15投手

山岡泰輔(26)山本由伸(20)K-鈴木(19)アルバース(13)榊原翼(13)竹安大知(10)田嶋大樹(10)荒西祐大(8)張奕(6)東明大貴(4)成瀬善久(4)山崎福也(2)エップラー(1)山田修義(1)鈴木優(1)

最多先発:山岡泰輔投手
26試合13勝4敗 170回 154奪三振 防御率3.71

 15人の投手が先発したオリックス。3年目の山本は開幕からフル回転の活躍を見せ、4月の月間防御率1.45、5月の月間防御率1.30と他の追随を許さない圧巻の投球を披露。故障で一時離脱があったものの、最優秀防御率のタイトルを獲得した。同学年の榊原は白星に恵まれなかったものの、13試合に登板して防御率2.72をマーク。また、シーズン中盤には2017年のドラフト1位である田嶋も復帰登板。来季はこうした投手のより成熟した投球に期待したい。

 最多先発となったのは山岡だ。経験した事のない疲労から若手中心の先発陣には故障者が続出。そんな中でも山岡投手は、ただ1人ローテーションを守り続けた。結果、自身初タイトルとなる最高勝率を獲得。ひたむきな継続が最高の形となったと言えるだろう。 

 シーズンを通してローテーションを守り、1試合でも多くの先発マウンドに立つことはチームにとっても、選手自身にとっても非常に大きな意味を持っている。以下は2019年シーズンを含めた過去5年間のリーグ最多先発の投手である。

【各年度シーズン最多先発回数】

2015年
涌井秀章投手(最多勝)
28試合15勝9敗 188.2回 117奪三振 防御率3.39
則本昂大投手(最多奪三振)
28試合10勝11敗 194.2回 215奪三振 防御率2.91

2016年
則本昂大投手(最多奪三振)
28試合11勝11敗 195回 216奪三振 防御率2.91

2017年
金子千尋投手
27試合12勝8敗 184.1回 141奪三振 防御率3.47

2018年
多和田真三郎投手
26試合16勝5敗 172.2回 102奪三振 防御率3.81
則本昂大投手(最多奪三振)
27試合10勝11敗 180.1回 187奪三振 防御率3.69

2019年
千賀滉大(最多奪三振)
26試合13勝8敗 180.1回 227奪三振 防御率2.79
山岡泰輔(最高勝率)
26試合13勝4敗 170回 154奪三振 防御率3.71

 全ての投手が2桁勝利を達成していることはもちろん、2017年の金子を除けば全ての投手がタイトルを獲得している点にも注目したい。今季は故障で出遅れてしまったものの、5年間で3度の最多先発数を誇り、4度にわたってタイトルを獲得している則本昂投手の貢献度は計り知れないだろう。より多くの試合に先発することは、「エース」となるための絶対条件であると言えるだろう。

 もちろん、多くの試合に先発することは疲労や怪我、研究されて打ち込まれるリスクが高まる。実際のところ、チーム最多先発の投手が多くの黒星を喫してしまうケースも少なくはない。ただ、1年間のローテーションを任される投手には、等しく大きな期待がかかっており、チームをけん引できるだけの資質があるということは間違いない。来季は1人でも多くの先発投手にローテーションを守り抜いてもらいたいところだ。

(「パ・リーグ インサイト」吉田貴)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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